Sunday, April 25, 2010

 

アイスランドの噴火と鯛釣り

腎臓病を患っていると食生活が制限されます。あれも食べてはいけない、これもだめ、塩分は少なく、水分は少なく、アルコールは少しならいいなどと、普段なら腎臓が体のバランスをコントロールしてくれることを私自身がやらなければいけなくなってしまう。

ところが私は腹膜透析を選んだのでこの透析液が体内の廃棄物?を取り除いてくれるのと同時に食物に含まれている栄養分も取り除くため、健康な人のように余分に栄養を取らなければいけない。
この意味は、腎臓患者の制限を緩めて何でも食べられると言う事につながる。「塩分と水分は控えめにする事」しかし、私は運動をしていますので水分が不足するため水分も普通に取っています。

だから食生活は普通人のように何でも食べていると言ってもいいくらいです。私の食生活は野菜を中心に魚と米、小麦粉、乳製品はほとんど食べるのを止めており肉も赤身のところを少しだけ。以前は何でも食べていたのですが健康に悪いため出来るだけ養殖されたものとプロセスフードは食べないようにしています。でも現実には巷に氾濫しているので食べない事は出来ませんが「出来るだけ」避けています。

趣味の釣りと食料獲得のため海の静かなときには船を潮に流しながら鯛釣りをしています。ここ4年ぐらいカタマラン造りのため釣りをやれなかったので、船のメンテナンスからやり始めていたが釣りに出る度に船のチョットしたところが調子悪く釣りをのんびりとする事が出来なかった。何回かこれを繰り返しメンテナンスをしては釣りに出る。
最近やっと船の調子が良くなり釣りに勢力が注げるようになったと思うと不漁で魚が釣れない。周りの海をじっくり観察すると今の時期には小魚の群れや海鳥,イルカなどが見えるのに何も見えない。4年間の間にいったいどうしたのだ?

殆ど釣れずに家に戻る日が続く。最近チョット釣りに行くのをためらい気味になっていたところ久しぶりに静かな風のない釣り日和である。半分釣れないのを覚悟で釣りに出掛けました。
我々の好きな釣り方は古いフライロッドを改良してチヌ釣り用のリールを取り付けて船を潮に流して棚を合わせ魚を誘うようにして釣る。竿が細いので糸も仕掛けも細くして針はマス釣り用の針を使い魚と戦う。

この日はなぜか久しぶりに良く釣れる。最近は燃料費の値上がりで近場の漁師が我々が良く行く釣り場を引き網漁で根こそぎ獲ってしまうため魚が釣れなくなったのだと嘆いていたのだが、アイスランドの火山噴火のために漁師が獲った魚が飛行機で日本やアメリカ,ヨーロッパに運べないため海に魚が溜まっていたのだと思う。たまには自然災害もいいものだな~などと困っている人が居ると助かる人もいる事がわかる。
一昔前はのんびりした国だったニュージーランドも金、金の国になってしまい、すべてを金に換えて工業製品が巷にあふれ,物質的に豊かになる事に血道を上げ精神的に貧しくなってゆき、海や川が汚れ借金が増えて行き、世界中のどこの国とも同じようになってゆく。
この国は今ならまだ自然保護に間に合うと思うのだがますますひどくなってゆくのが現実のようだ。

ところで魚が多く取れた日、我々の家庭は魚料理であふれる。まず鯛は塩焼きにしたり刺身にする。一度に食べられないので残りはフィレにして冷凍し少しずつ食べる。今回の鯛のサイズは30~40センチと言ったところであまり大きくはないのだが食べごろのサイズだろう。この鯛が15匹ぐらい釣れたかな~、これに混ざってホウボウや鮭のような魚、こちらではカハワイと呼ぶがオーストラリアンサーモンとも名付けられている、サイズは50~60センチぐらいのこの魚はファイトがすごく細い竿で戦うのが面白くチョットもたつくと「プツ」と切られてしまう。私のリールはなぜかドラッグがなく指で糸の出方を調整しながら魚と戦う、これが難しくなおかつ面白い。

そうそう、これを書かなければいけない。この日の釣果は女房が小さい魚も混ぜて20匹私が5匹、釣りと言うのは片方が釣れるとなぜか他の人が釣れない。おまけに釣れた魚を取り込むのを他の人が手伝うのと釣られた魚が走り回るので他の人は釣りに成らない。もうひとつおまけに女房のぺらぺらと口走る釣りの極意で毒気に当てられる。「魚が食いに来るのが感じられる。」「こんな日には錘の重さをこのぐらいにすると良い」などなど言いながら「また釣れた!」と叫ぶ。
こちらは自分のリールが絡まり解いているのに網を持ち女房の魚を救い上げる。透析の時間が来ると船内に入り透析液を取り換え、交換しながら30分間釣りをする。

透析液を換える時は取り換え口に雑菌がつかない事に気をつければ液の交換中は船外に座り釣りが出来る。聞いた話では交換中に釣りをしていて釣り針が間違って刺さり大変な事になったとか、他にはハンティングに行き山の中で取り換え腹膜炎になった人も居るらしい。

カハワイを一匹釣り上げると腕や手首が痛くなるぐらい疲れてしまう。毎回家に戻り落ち着くと手首が疲れている事が感じられるほどこの魚は良くファイトする。
この魚を釣ると船の上で生き〆をし血抜きをした後3枚におろし、べた塩にして(今は体のために塩少々)しばらく置くと臭みが取れるので、洗って酢に締め刺身や寿司にする。少し身が筋っぽいのだが癖があり旨い。鯛ばかりを釣り食べていると贅沢な話ですが赤身の魚が恋しくなり鯛より好んで赤身の魚を食べている。地元の人は以前カハワイは食べなかったのだが最近はスーパーでフィレで売られているぐらいだ。魚が高くて食べられない人が多いが幸いにも我々は魚が豊富なのでお使い物にして喜ばれています。

田舎に住んでいると一般に野菜や果物、鶏を飼い卵をとる人が多いのですが、作物と言うのは出来る時期が同じでどこの家にも同じ作物が有り余ってしまう。現実に野菜や果物、肉など多くあっても食いきれるものではなく、テニスクラブではメンバーがクラブに持ってきて他のメンバーに配ったりしています。我々は、果物のように手のかからないものは作っているのですが、これから得意の分野を生かし魚を取り野菜とか卵と物々交換してもらおうと考えています。

Sunday, April 04, 2010

 

最近の私

我々の近況は、週2~3回のテニスと天気の良い日にはセーリングをして魚を釣ったりしています。後は家の細かい仕事などをして過ごしています。
健康的には一昨年より元気になったぐらいで快調です。ご心配のメールを頂きありがとうございます。

カタマランの方は今はお休みとして健康の方を取り戻す?ために毎日の運動とテニスが強くなるように敷地内を二人で走っています。
テニスをしている仲間達は年寄りが多くテニスとしては長年やっている人達ですから強いのですが、寄る年波のため体のどこかが悪い人達も多い。先日膝にステンレスの関節を埋め込んだテニス暦60年と言うおばあさんが、二日後に退院して4~5日後からはテニスコートの周りを回復のために松葉杖で歩き回っている。

年を取っても運動をしていると回復が早い事がわかります。私も今の目標は腎臓移植ですので体力つくりをしているのですが、テニスコートで走り回って相手を倒すと「お前病気ではないのか?」と野次が飛んでくるほど元気です。
腎臓移植をしても今の元気が取り戻せるか?とはわからないのですが何でも新しい事を経験すると言う事はすべてが未知で刺激的なことと思います。
もしまた健康と時間が取り戻せればカタマランを海に下ろすことを考えて造り、セーリングをしてみたいものです。

今は老艇のモノハルでセーリングしていますが、1日4回の人工透析液を取り替えなければいけないのであまり海の荒れているときには出られませんが、時間が来ると揺れる船で海を眺めながら透析液を取り替えてはセーリングをしています。
船で透析液を替える事は問題ないのですが、もしも、体内に菌が入ったりすると腹膜炎になったりします。これになると緊急に病院にいかなければならないのでセーリング中では難しく、透析液を取り替えている途中でもしも船が揺れ取替え口に何かが当たると大変な事になりますので余程の注意が要ります。これさえ気をつければ以前のようにセーリングする事が出来ます。

先日、恒例のオークランドタウランガのイースターレースがありました。我々の船で2日はかかる距離をフランスのトリマラン60G3が風もないのに一番で入りました。この船は今までのレース記録9時間台を乗り越え目標時間が5時間と言う事でしたが,生憎の微風で約14時間となったが、それでも速く走るものです。二番は7時間遅れでカタマランでした。
レースではトリマランが速いのですが居住性がなくクルージングには向かないと思います。モノハルがカタマランのすぐ後に三番目で入ってきました。我々が湾内から外海に出ようとしている朝に出会う事が出来ました。

多くの船はその日の夕方ぐらいにまでにゴールインし、一番遅れたのは夜中だったそうです。風のない日のレースは大変だな~と思うのです。それでも風のないのにセーリングしている事に驚いてしまいます。我々の船ではエンジンでしか走る事は出来ません。

こんなレースを見ていますとカタマランも出来る限り軽く作り微風で走る船にしたいと考えています。これからの船は風のない日にも走る船が理想だな~と思うのです。

釣りの方は4年ぐらいカタマラン造りで忙しく休んでおり、最近の状況がわからずあまり釣れませんが、これから少しずつ釣れるようになってくると思います。釣った魚と我が家のデッキで出来たブドウで造ったワインを飲み季節の味を味わっています。残念ながらグラス一杯ぐらいしか飲めませんが、腎臓病は少しの酒は飲んでも良いと言われています。

あと1年ぐらいはこんな調子で過ごすと思いますが、今も自分でも感じますが「当分 死にそうもない」また環境が許せばカタマラン造りに時間を使いたいと思っています。

Sunday, December 27, 2009

 

カタマランと痛風

クリスマス休暇中のニュージーランドは夏の真っ盛りといった天気が続いています。夏と言ってもここの夏は我々の地域で25~27度、湿度は60%ぐらいですので大変居心地がよく朝晩は涼しく布団が放せません。

カタマラン造りの方ですが、形が出来上がりアンダーコートを塗ったところでなぜか?一安心してしまい、今、クリスマス休暇と自分で決めのんびりと休んでいます。

今まで3年間休みなくカタマランを造っていましたのでこの辺で一休みと言ったところです。私の腎臓移植が終わらないとこれ以上出来上がっても乗れるわけでもないし、今現在あるヨットが売れるとカタマラン用のマリーナバースが確保出来るのだが?とにかく今は体力作りを兼ねテニスをやっています。それとマリーナにあるヨットをやはり3年間メンテナンスをしていなかったのでぼちぼちメンテナンスをしている所です。

体調の方は以前より調子がいいくらいですが、透析に縛られる時間は同じです。それに今でも時々現れる痛風の痛み、足を引きずり耐えなければならないのが辛いところです。

今日はこの痛みを早く消す方法を書いてみたいと思います。
以前から痛みが出ると痛み止めを飲み続けていましたがそれで?腎臓を傷めてしまったように思います。そこで、今でも現れるこの痛みを薬を飲まないで治そうと考え我慢をしていましたが、痛みが取れるのが帰って長引くように思われます。

何度も痛みを経験していますと痛みが現れた初期の段階で痛み止めを飲み、足が痛いときに少し我慢をして歩き回る。ジョギングをしたりテニスをしたりと動き回るとその後2~3日で痛みが消える事を発見したのです。
腹膜透析をやっているため毎日血圧を測り記録していますが、痛風が出る前には血圧が少し上がるような気がします。20ぐらいいつもより上がります。痛風は関節の部分の血管に何かが引っかかり痛みが出ると思うのですが、心臓がこのつまりを流そうと激しく動くため血圧が上がるのでは?と自分の独断で思います。

そのため血管のつまりを流せば痛風の痛みが消えるとの解釈で痛み止めを飲んでは走り回っています。
以前腎臓移植を受ける資格を得るための心臓の試験があったのです。そのとき運悪く痛風が出ておりまだ痛みが有り足を引きずりながら病院に行きました。そこでどんなテストをするかといいますと体中にセンサーを貼り付けベルトコンベアーの上をゆっくりと歩きはじめだんだんと早く走り出し、心臓がヒイヒイというまで走らされるのです。痛風で足が痛いなどと言えばこの試験に落ちて腎臓移植する権利が失われるため、痛みをこらえ走り続けたのです。おかげでこの試験にパスをしました。

この試験後2日ぐらいで今まで2~3週間痛かった痛風が消えてしまったのです。この痛みが早く取れる方法をまたやってみようと痛風が再発したときに痛み止めを飲みテニスで走り回ったのです。テニスのいいところは相手の打つ玉にいやでも走り回ってしまうと言ういいことがありますので、すぐ次の日には痛みが消えてしまいました。

あまり痛み止めを飲むのは好みませんので飲まずに治そうとした事もありますが、結果はいつも2~3週間痛みをこらえなければいけないため、一粒の痛み止めを飲み走り回って血管のつまりを取り除き早めに痛みを消すこの方が薬の副作用が少なく私の腎臓にも良いのでは?との結論にしています。

もし痛風の痛みで苦しんでおられる人がおられましたらぜひお試しください。

Saturday, November 28, 2009

 

船の用途に適した考え方

船の用途に適した考え方

夏らしい天気が続くようになりました。

日本からファーストマリーンの関口さんが我々のカタマランを見にいらっしゃいました。船の事、カタマランの事を良くご存知の方でした。
細かいところまで良くご存知なのでごまかす事が出来ない意見が多く、いろいろと参考になりましたし、我々のカタマランに取り入れるところもあると思います。

海の人と話していますと話題が共通する事が多く楽しいひと時を過ごさせていただきました。これが陸?の人ですと話題がどうしても仕事の話や家の話、日本での上下関係など今の私にはどうでもいいことが多く、こんな時は後でむなしい気持ちになってしまうものですが、関口さんと話していると面白い時間が過ごせたという気持ちがしました。

女房と時々将来の時間の過ごし方について話し合うのですが、我々の人生を振り返って今までにめぐり合った人たちを思い返すと、旅で知り合った人達や海の仲間とひと時を一緒に過ごしたり話し合ったり出来た事が今となっては楽しかった過去のいい思い出になっています。

それを考えて将来はまたセーリングに行きすばらしい人たちや面白い発想の人たちにめぐり合いたいと今のカタマランを造っているのですが、なぜ海の仲間が印象的なのか?と考えて見ますと、海は自分の判断や自分ひとりの知識などが極端に言いますとサバイバルしていく上で必要になっています。陸上では周りに多くの人が居ますので簡単に助けを求める事が出来ますが、海では出来ない事が多く必然的に知識が豊富となりその人が魅力的になってゆくのだと思います。

これは我々の考えですが当たっていると思います。しかし、海に生きる人たちはいい言葉で言うと私も含めて個性が強く合わないところは簡単に合いません。私はこれは個人が意見を持っている事だと理解しています。
ニュージーランドでは当たり前の事です。ここでは自分の意見が言えない人は「能力のない人」と思われてしまいます。ですからニュージーランドでもヨットをやっていると言うと多くの人から良い目で見られます。
なかには贅沢な事をしてと道楽者のように見る人もたまには居りますが、このタイプの人は昔が貧しく守銭奴的なタイプが多いように見えます。(これは個人の好き好きですが)私の考えは金をためるよりは有意義に使う事が良いと考えています。

どちらにしても今我々が予算も少ないのにカタマランなどを造っていますが、これでさえも長年悩み通した挙句に挑戦している事ですので人生の残り少ない時間をまた世界中で素晴らしい人達にめぐり合えるかも?知れないクルージングに出ようと夢を見ているのです。
結果がどのように出ようとやってみるという考え方が私の考えですので、失敗は恐れては居ません。そしてこの目的がもし成功したら満足感も最高だと思っています。

カタマランについても、どのように使うのか?という事で設計も違うと思いますが、私は老後のひと時をのんびりと良い天気を見計らってセーリングし、行く先々で釣りを楽しむ事を目標としております。
少し釣りの話をしますと「世界の釣り場は荒されている」といえます。車で行けるところはあまり良い釣りは出来ないと言い切ってもいいと思います。
今はヘリコプターや船などでしか行けないような所が釣りの穴場です。

ですからヨットでしかいけない地球の僻地にはまだ一杯釣りの穴場が残っているのです。たとえば名前もないさんご礁の島の流れ込み?海水が流れ出す所などには多くの魚達が弱肉強食の生存競争をしておりそこにルアーなどを投げ込むとたちまち歯の鋭い魚達が我先にとそのルアーに食いついてきます。
このような所は人影もなく釣りで良く起こる場所の取り合いもなくのんびりと魚と遊ぶ事が出来ます。

アラスカなども小さな河口には先を争って産卵遡上する魚達がいます。これを釣りに行くのもいいと思います。海から産卵遡上する鮭は食べても美味しい時期の魚です。川に入り時間のたった魚は味が落ちてきます。小川では熊のように鮭を手づかみする事もできるのです。こんな事を考えながら毎日のようにカタマランを造っていますが予算と健康の問題があり簡単には進まないのが現状です。

健康のためにとやっているテニスですが、それでも何とかこちらの人達の体力に負けないようなテニスをしたいと作戦を考えてやっています。が、なかなか上手くならないため予想以上に時間をつぎ込んでいるのが今の状況です。まったくニュージーランドの人達は日本人から見ると大人と子供の違いぐらい体力があるので、この人達とテニスをするには何とか?良い作戦を考えなければとても太刀打ちできない。しかしラグビーのように体だけではないので少しはましですが何とかいい勝負がしたいと思い「柔 鋼を制する」的に柔らの精神で何とか良いゲームが出来ないものか?と日夜考えているのです。

我々のカタマランも共通する所があり海の強い力に対してまともに受ける事がないように軽く強く造る事で大きな力を吸収しショックを和らげることにひとつの目標を置いており、そしてまた今までの多くの海難の原因は荒天に捕まったためと思いますので、船が軽いという事により速く走り荒天を避ける。
船体を出来る限り軽く造り出来る限り装備をシンプルにして軽くする(予算もないのでちょうど良い)、最近変わりやすくなった天候を読んで早く逃げられる船を造るのが目標です。(うまく出来ればよいのだがね~)。
とにかくここまで造れたのだから後は海に下ろしてから少しずつ手直しをしてゆくつもりですが、別の問題としてこのカタマランをどの様にして海に運び出すのか?これもいつもの問題です。先のことはわからない(ケ
セラセラ、ケセラセラ)。

Saturday, November 21, 2009

 

カタマランとペット





ニュージーランドは突然夏がやってくる。カタマラン造りに気温が足りない、雨が多いと思っていたらッ, 突然夏のような気温になってくる。日向で働いていると暑くてたまらない。
しかし気温としてはまだ20度チョット、しかし体感温度はとても暑く感じる。

そこでカタマランをこの太陽から守るためにとりあえず全体をペイントで覆い劣化を防ぐ、晴れた日を見つけてはプライマー、アンダーコート、とカタマランを覆ってゆく。
おかげでカタマランは真っ白になった。これで夏の強い日差しから守ることが出来るだろう。それと完成したカタマランの姿が想像出来るようになった。

これで焦ることなくのんびりと細かい仕事が出来るだろう。ここまで出来ると『完成は何時の予定ですか?』最近良く聞かれるようになってきたのですが、「腎臓移植が終わり体調が回復したら」と答えることにしています。
それまで今のペ-スでのんびりコツコツと造り続けるつもりです。「いつかキット完成してセーリングが出来る時が来るだろうと夢を見続けています」そこまで行き着くと今度は新たな問題が起きてくると想像します。

それはカタマランを手に入れてしまうと今度は何を目的に生きてゆくのだろうと?。これは今のところ横に置いておいて今日は我が家のペットのことを書こうと思います。

我が家には猫が居ります。名前は「イチゴ」カタマラン造りに時間をとられており猫をかまう時間がないので、時々造りかけのカタマランに連れて行くのですが、最初は船の新しい臭いが気に入らず怖がって逃げ回り出口を捜し求め逃げて行ったのですが、何回も連れてゆくとだんだんとカタマランにも慣れてきてしばらくデッキの上にチョコンと座って周りをボーット眺めているようになってきた。

ある日いつものようにイチゴをカタマランに連れて行くとカタマランの下に大きなウサギがいてイチゴに驚き逃げていったのです。それ以来イチゴはカタマランに来ると必ずウサギが居たところを物色するようになったのです。
イチゴの好物はウサギの子供なんです。毎年必ずどこからとなくウサギの子供を捕まえてきて食べます。ウサギだけではなくイチゴの食生活は毎日ペットフードをやるのですが、余程腹が減っていないと請求する割には少ししか食べず何か獲物をとって食べている。

我が家の庭にはいろいろな獲物がいます。好物のウサギ、キジの親子、イチゴがキジの雛を捕って来るとキジの夫婦がすぐそばまで寄ってきて、子供を返せとけたたましく鳴き威嚇するが、イチゴは雛を銜えたり離したりしてあそんでいる。そしてそのまま食べるのかと思うとわざと逃げられた振りして雛を逃がすのです。後で太らせてから食べるためなのか?。以前2度ほど雌の親鳥を捕まえガレージの前に置いてあったのを我々はありがたくイチゴからのおごりとしてローストにして食べたこともある。鶉のファミリー、いろいろな種類の小鳥たち、プケコと呼ばれるブルーの鶏みたいな鳥、この鳥は結構愛嬌がありカタマラン造りに必要なためバケツに水を入れておいて置くとそのバケツにさかさまになって水を飲み水浴びをしている。もちろんネズミもいます。大きなネズミは嬲り殺してその辺に放って置き小さなネズミはたまに食べるようです。

ウサギの次にイチゴの好物は、目白(こちらではシルバーアイ)この可愛い鳥がうまいと見え好きなんです。集団で飛んできては周りの小枝に止まり小さな虫を食べている。時々この鳥が窓ガラスにぶつかるのです。曇りの日に多く「ドーン」と大きな音がしてデッキに転げ落ちて気絶する。そこでその辺に寝転がっていたイチゴが飛び起きて気絶しているメジロを捕まえて食べてしまう。多いときには2~3匹ぐらい捕まえては食べてしまう。メジロばかりではなくカワセミも時々ガラスにぶつかるがカワセミは大きい鳥なのでしばらくのた打ち回って居てまた飛んでゆく、余程打ち所が悪いとそのまま死んでしまう。

夏になると蝉も好きです。自分でもとりますが木に止まっている蝉を取ってイチゴにやるとカリカリコリコリとうまそうに食べてしまう。以前飼っていた犬も蝉を取っては食べていましたが、余程うまいのか?猫も食べる、何匹でも食べる。
夜になると家の明かりに群がるセッジ(水生昆虫の蛾のようなもの)も喜んで食べる。屋内でテレビを見ていると突然「ド~ン」と音がする、と、ガラスに群がるセッジをイチゴが飛びついて捕り食べている。

以前2ヶ月イチゴを家に置いて南島に鮭釣りに行ったことがあります。この時もしイチゴが腹が減ったらと乾燥フードを洗面器一杯置いておいたのですが、2ヶ月後そのままペットフードはありイチゴは以前よりポッチャリと太って、お土産の魚をねだっていました。
釣りが好きな飼い主ですので魚には目のないイチゴです。鱒など釣って来ますともらうまで横でギャーギャーとなきクレクレとせがむのです。

こんな我が家のイチゴが自分のペットフードをデッキの真ん中に生やしたマグノリヤの木に巣を作ったブラックバードに自分の食いさしを食べさせているのです。子育てに必要な栄養をとるために猫のペットフードを食べにくるのです。
猫のイチゴも横で寝転んでそれを眺めています。ペットフードがなくなるとイチゴは私に腹が減ったと「ゴハン」「ゴハン」とねだるのです。仕方なしにペットフードをやると外で食べると動作で示し外に出すと少し食べてまた自分のペットに食べさす。

コノ調子だから野生の鳥が見る見るうちに太りだしてきて、猫にえさをやっているのか鳥にえさをやるのか?わからなくなってきて餌をくれるのを鳥まで待っているようになって来た。

私のペットは猫のイチゴですが、女房のペットは最近買った金魚、猫のイチゴのペットはマグノリヤに巣を作るブラックバードです。

Wednesday, October 28, 2009

 

浮かぶ家

ニュージーランドは春になったと浮かれていたら又雪や雨の降り続く寒い冬に逆戻りしました。
暖かくなったのでペイントをし始めようと喜んでいたのに、湿度が高くペイントには不向きな天候のため仕方なく下手なテニスなどやって過ごしています。

腎臓移植のため体力を養っていなければならないため、カタマラン造りのため止めていたテニスですが「手術後の体力回復のためにも運動をしておいたほうがいい」とドクターに言われているので雨が少々降ってもコートで走り回っています。

経済的な問題から自分の敷地でカタマランを造っていますので屋根がなく、雨が降るとペイントのような仕事はとても出来ません。
しかし、急ぐ旅ではないのでのんびり天候が良くなるのを待っています。

ヨット乗りたちが安全にセーリングするために一番良いのが良い天候を待つことです。そこでよく質問されることのひとつですが、「セーリング中は夜どこで寝るのですか?」ですが、
大洋に一旦出ると夜になっても海の上です。普通の天気ならばそのまま走り続け交代で船など来ないか?と見張ります。めったに船などにめぐり合わない大洋の中で見張り続けることは大変眠いことです。
しかし見張りはセーリングの中では一番大事なことです。しかし眠いのでたいがいは居眠りしているのが普通です。

時々目を覚まし周りを見渡し異常のないことを確かめ、船が目的の方向に走っていることを確かめては又居眠りを始めます。交代時間は4時間づつです。
天気が荒れてくるとヒーブツーといって船を風の吹く方向に向け、セールを小さくして舵を一杯に切って船を少し進めるが、吹く風に押されてそこに立ち止まるような速度で少し横流れさせます。

このバランスが重要なのですが、そのときの風の強さによります。この時点で船はほとんど海上で止まった状態になります。モノハル艇の場合少し揺れますがまだ小さくセールがあがっているので船の揺れは多少弱まりますので意外と居心地が良くなります。しかし居心地がいいといっても船ですので揺れてはいます。が、しばらくセーリングに慣れますと耐えられるぐらいの揺れです。

ベテランセーラー達は「天候が荒れてきたらすぐに船を止めて寝てしまうのだ」とよく聞きます。荒れた海を無理に走り船を壊すほうが結果的に遅くなるし海上での修理が大変だからです。
ですからこの「海の上で船を止め寝る」テクニックは大変重要になってきます。
カタマランの場合船が軽いこととキールがないのでセールをすべておろすと(ライングハル)かなりの距離を流されてしまいますので(1日200マイル)シーアンカーを流し船を止めるほうが良いと思います。

この時カタマランでは「かなり居心地がいい、料理も不便なく出来大きな波を眺めながら日光浴が出来た」と聞いたことがあります。

夏など天気の良い時期小さな島に行きますと多くの船が停泊しているのでアンカー場所がなく、島の外に出て少し離れ小さくセールをあげて交代で見張り海の上で寝てしまう。なかなか気持ちの良いものですよ!。
広い海の真ん中で寝るというのは日ごろの制約から逃れ自由を満喫して自分の世界を持ったような気持ちのいいものです。一度体験してみてください。

海の上で寝るとき小さな明かりをつけておくと、飛び魚、イカが船に飛び込んできます、それを拾って朝ご飯のおかずにするのです。綺麗な海水が船の周りにありますので腹を割き海水で洗い焼いて食べるのです。美味いですよ。
朝になり昨夜の込み合った島のほうを眺めますとかすかに見える程度の大きさになっておりたぶん5マイルぐらい流されていると思われます。

改めてエンジンを掛け島に向かえばいいのです。海は広いのです。そして新しい1日が始まります。

海で寝ることに慣れると陸でしか寝られないと思っていた感覚が変わり、自分の世界が変わり、今までの考えが海のように広くなることを請合います。試してください。

Tuesday, October 13, 2009

 

私の理想のカタマラン




カタマランを造って行く時毎日のように考えることは「もし この船が嵐にあったら 嵐の海をどう乗り越えるのか?」と言うことです。私は今の健康の問題もありますが、もしこのカタマランが完成したら、まずシェークダウンとしてニュージーランドコーストをセーリングしてこの船に慣れ、翌年にはアラスカを目指してセーリングしたいと思っています。

ただ観光して周る旅はもうしたいとも思いませんので、行く先々で釣りをしながらセーリングをして老後の時間を過ごす。こう考えています。

そこで、大洋を航海することを考えこのカタマランは前部に窓をつけていません。大洋では大波に打たれる可能性も出てきます。私の経験では12メートルぐらいの大波が後ろから毎日押し寄せてきました。
そのときはモノハルでセーリングしていましたので、後ろからの波がヨットにかぶらないように又前の波につっ込まないようにヨットのスピードを調整しながら走ったのです。1度だけ大波を食らってしまいました。

コックピットはプールと変わり海水と泡だらけでした。津波のように引き波に体を持っていかれないようにコックピット内にロープを張り巡らしそれにハーネスを掛けてつかまっていたのです。
操船はウインドベーンがやってくれますのでセールを小さくして波を丁寧に超えてゆきます。少し波の斜め方向に下って行き波の抵抗を出来る限り避けるように走りました。

斜めに走ると目的の方向からだんだんと外れてゆきますが、2日ぐらい同じ方向に向かいそして方向転換をして又2日ぐらい反対方向に走ります。このとき方向転換をするのがとても難しいのですが、テクニック的にはサーファーが波の途中でターンするように波を上りきるチョット手前で思い切ってターンするのです。勇気が要りますが思い切ってやるしかありません。

ここニュージーランドからアラスカに向かい出発すると考えますと、以前我々が向かったタヒチの方角へ行くと考えます。タヒチの手前あたりでハワイの方向に向かいハワイでいったんストップオーバーして、カナダのバンクーバーに向かいカナダの西海岸沿いにアラスカに向かう。
このコーストでたぶん荒れるのはニュージーランドからタヒチに向かう時だろうと想像します。

前回はセキスタントを使って行きましたが、今度はGPSとコンピューターにプロットし天候を読みながら行くので比較的簡単に行くことができると思います。しかし、もしも、嵐にあったらと考えて見ますと、今回のカタマランはドジャーを大きく作りましたので、セールをすべておろしてもかなり走ります。嵐になれば方向転換して風に船を立て、風上側にパラシュートアンカーを流します。なぜならば船が風により風下に流されますからパラシュートアンカーを風下に流すと船に絡まってしまうのです。

前に向いたカタマランは大波を受けない程度にロープを出して波間に漂います。嵐は2日も我慢すれば通り過ぎるものです。その時もしも大波を前面に食らった場合窓があると壊れる可能性があります。以前、カタマランの大きな窓が波で壊された記事を見ました。モノハルでも同じです。最近の船では窓が大きくなってきて波に壊されることが多くなってきました。
そして窓が大きいと熱帯でセーリングするにはあまりにも熱すぎます。

セーリング中は、見張りが一番の仕事で窓から見張ることも出来ますが、もしもコンテナーが海上に落ちていても見つけることが出来ずにぶつかってしまうかもしれない。最近のセーリングではコンテナーにぶつかる船が多くなっています。

こんなことを考えて我々のカタマランは前部に窓がありません。その分船の重量が減りました。
前にも書きましたが、一昔前のセーリングと違い今のセーリングは計器でポジションと天候を読み、荒天をかわしながらセーリングする時代なので、荒天から逃げれる速い船が安全となってきます。嵐を天気図で見つけると20ノットぐらいで?移動してきますので嵐のコースを見張りながら嵐の来ない方向に逃げるのがコツと思われます。そのためにも軽くて速いカタマランは有利となるのです。

それから最近外洋セーラーの悩みは嵐の海より風のない海です。外洋セーリングしてみると良くわかると思いますが、長期のセーリングはコーストのセーリングより装備と食料、燃料などで1,5トンぐらいは重くなっており普段よりもっと走りません。このとき風がない海に行きますとこの広い大洋をいくら機走してもどこにも着くものではなく、燃料がなくなってゆくだけです。

これも私の経験ですが、南太平洋からニュージーランドに帰ってくるとき高気圧の真ん中に入ってしまい、タスマン海の大きなうねりの中2日ばかり機走しました。そしてセキスタントで位置を測るのですがどうも位置が予測より違います。
計算違いかな~?と何度も計るのですが答えが出ません。周りは海ばかりの中自分のデッドレコニングとセキスタントの計算、どちらが正しくてどちらが間違っているのか?図りとなるものがなく困ってしまいました。

そんな時遠くに一艇のヨットが見えたのです。VHFでその船に問いかけてみました。反応がありました。彼らはサテナビを持っており今のポジションを教えてくれました。「セキスタントの計算はあっていたのです」我々は2日間機走したのにタスマン海の大きなうねりに押し戻され以前よりも後ろのポジションにいたのです。これは大変経験になりました。その後このうねりを避けて2日ほど東に方向を変えニュージーランドに無事着いたのです。

アメリカのセーラーが多くいるのですが、アメリカを出航してニュージーランド沖まで比較的簡単なセーリングが出来るのですが、ニュージーランド沖に来ると多くのセーラーが嵐にあうことが一般的です。ニュージーランドから10度位北が一番天候が変わりやすくここをうまく抜けると後は天国のようなセーリングが出来るのです。

このような経験とニュージーランドコーストの経験、他のヨット乗りからの情報を元に今度セーリングするときの船をどう考えるか?と今のカタマランを造っているのです。

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