Saturday, June 10, 2006

 

ヨットと人生の設計

ヨットの設計と書きますと、さも、大それたことのように思いますが、私が設計しようとしているヨットは、カヌーが二艘並び
棒を平行に二本並べ繋ぎ合わせたようなヨットなのです。

近くに世界でも有名な双胴艇の元レーサーが住んでいます。この人は世界をヨツトレースで周ったり大西洋を50回以上横断したり、イギリス一周レースで双胴艇で優勝したりといった数々の功績を残した人なんです。

この人の設計したヨットを造ろうと計画してその資金造りを兼ね、家を売りに出し、長年親しんだ愛艇を売りに出したのですが一年経った今でもまだ売れず燃えていた夢のヨット造りの日が消えそうに成った時、
親友の悲報が届いたのです。ヨットが完成した暁には一緒にセーリングをしたいと癌と戦っていた親友が亡くなったのです。
親友が亡くなった事は大変悲しいのですが同じ歳の青春時代を共にした仲間が死んだ事は、「明日はわが身」の様な
目に見えない現実を見せられた気がします。

同じ頃、我が愛犬も亡くなりました。女房はこの悲しみに落ち込み最近は少しづつ回復してきましたが予想以上に悲しかったようです。以前より私が死んだら「海に灰を撒いてくれ」と女房に頼んであり、愛犬が死んだのでその灰を海に撒きました。
生まれて初めての経験でしたが、今まで 「灰」と一言で言ってもゴミや落ち葉の燃えたものがイメージとしての「灰」でしたが、愛犬を焼いた灰は予想以上に重たく濃紺の海に撒くと海中に散らばった愛犬の灰が朝日に照らされて、
キラキラと美しく海に沈んで行くのです。

「美しい」印象としてはこう感じました。こんなに美しいものなら自分の灰も「海に撒いてくれ」と頼んだことが正しかったと確信し、自信を持ちました。幾ら容姿が悪く醜い私でも焼かれた灰になり海に撒かれる時にはこんなに美しくなるなんて、こんな良い事はない。
私の親友の灰もこの海に撒くことを彼の奥さんと約束してあり日本から届き次第海に撒き供養してやろうと思っているのです。その時までに新しいヨットが出来るとは思いませんが、少しその灰を残して置き「やっと一緒にセーリングが出来たネ」と改めて海に灰を撒いてやりたいと思うのです。

こんな事があり、私自身も余生が残り少ないと感じ、今長年の夢であるカタマランを造らない限りもうチャンスはないとプレッシャーを持ち、資金が都合できないからとのびのびになっていたが、そんな事言っている場合ではなくとにかく始めることにしたのです。
今の所一番の問題は「造る場所」です。適当な場所ではないのですが家の敷地を平地にして仮小屋?テントサイト風の
作業小屋を造る計画です。

カタマランの設計も先ほど書いたように注文しようとしておりましたが、検討する内に少し重いのではないか?と言う疑問がわいてきたのです。凄い功績を持った人が設計したのですが、この人も歳を取り、新しいマテリアルが一杯ある今の時代に40年前から同じ材料を使っているところに疑問を持ち、資金も少ないことと、以前からデザインに興味がある私の体の中からムラムラと湧き出てくるスケベ心で、自分で設計しようではないか?と考えるようになってきたのです。

基本的に私が設計するカタマランはクルージング艇ですので、極端に速く走ることを考えなくても良く、しかしあくまでカタマランの良さを殺さないようにいかに軽く造るか?と言うことが一番の課題となってくるのです。
無論経済的に負担無くということが条件となってくるのですが、そこで今新素材で安く、カタマラン造りに使えそうな材料を見つけ、現在、アメリカ、シンガポール、日本へと問い合わせているところです。

見本の一部が届いたところですが、今からこれをテストしてみて使えそうであれば、注文を出そうとしています。
この国は税金が高く、労賃が高いので自分で輸入して自分で働く以外に制作費を抑える道は無く、
船の値段が高いのはほとんど手作業で造るため労賃が掛かることである。この点を何とかすれば家を建てるぐらいの経費で夢のカタマランが完成するのではないか?と 又夢を見ているのです。

この先どのぐらい時間がかかるのか?見当もつきませんが、私の楽観的考えでは2年ぐらいで完成すると読んでいます?。
ちなみに知り合いの人が作った54フィートのカタマランは6年掛かったそうです。私は46フィートを目標にしており2年と思っていますが、カタマランが出来ても船が大きすぎてマリーナの確保が出来ず、先にはまだまだ問題は山とあるのですがひとつずつその山を乗り越え夢のカタマランが完成する事を夢見ている今日この頃です

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