Friday, July 25, 2008

 

冬の嵐




10年振りに台風並みの嵐が昼頃ニュージーランドの北島を直撃する。10年ぐらい前に南太平洋に向かう多くのヨットが巻き込まれ大惨事が起こったクイーンズバースデーの時と同じ様なタイプで季節外れの嵐です。
オーストラリアの北の沖に突然発生した熱帯性の低気圧が成長して台風並みの嵐となり、ニュージーランドに向かってくるのです。

10年振りというぐらいめったに大きな嵐が来ないのだが、突然嵐がやってくるパターンなので南太平洋に多くのヨットが向かう時期でもありこの嵐に巻き込まれてしまうのです。
今年は災害が無いように願いたいと思っています。

10年前と違い今は簡単に天気予報が取れるため、突然の嵐といえど二日前から警報が出ており嵐の方向もわかっているのだから避けることが出来ると思いますが、もしセーリングを楽しんでおり天気予報も見ないセーラーがいたらこの嵐に巻き込まれるでしょう。

もし今、自分がセーリングをして南太平洋に向かっていたと想定して考えて見ますと、自艇の位置がニュージーランドの北200マイルにあるとします。
ニュージーランドの200マイルと言う事は遅い船で二日、速い船で1日の距離です。この程度ならばすでに天気予報により嵐が発生した事がわかっておりこの嵐がやがてニュージーランドに向かってくる可能性があるので就航するのを見合わせなければいけない。

もしすでに出港しており500マイルの位置にいる場合を想定すると、南半球の低気圧は時計と同じ方向に回りながら地球の自転の影響で東に向かい、低気圧の回転と周りの高気圧の影響により南に向かう。
と言う事はすでに北東からの風と波が起こっておりこれを逃れるには北に向かえばこの低気圧から遠のくと予想できる。

もしすでに嵐に巻き込まれてしまったならば、強風と大きな波があると思うのでドギューをヨットの後ろから流し北に向かうか、ヒーブツーで嵐の中に留まってやり過ごすか、シーアンカーを流し嵐をやり過ごすか、波と同じ速度?ぐらいで波に飲み込まれないように前の波に突っ込まない様に波を斜め後ろから受け走り続ける。

これしかなく運を天に任せ逃げ切る事である。こんな目に遭わないためにも天気を読む練習をすることが一番大事だろう。

こんなことを考えながら陸に住んでいる私は嵐が来た時の用心として朝からウエーダーと合羽を着込み溝掃除をしたのです。ウエーダーと合羽を着てしまうと多少の雨が気に成らず、
今はカタマランを造っているため、好きなマス釣りに行けないのだがこんな格好をすると以前毎年冬の半分近く産卵遡上のマス釣りに出掛けていた時を思い出す。

冬用のウエーダーに防水のジャケットを着て、その下にはもし冬の川に落ちた時の為にとサーフィン用のウエットスーツを着て早朝の凍てつく川原でマス釣りをしていたことを思い出してしまう。
冬のマスは産卵のために遡上してくる為、深みに休んでいたり産卵の用意に深みに潜んでいる。
このマスを釣るにはマスの口元に餌と成る疑似餌を流さないといけない。これが出来るようになるとこの釣りは簡単となる。

初心者の内はマスが潜んでいると思われる遠くの淵に疑似餌を流したい為に川の深みに立ち込んで投げるが、マスはつり人から逃げますます離れてゆく。
この時深みに立ち込んだ釣り人は、ウエーダーの浮力のため立つのがやっとで余計に遠くに投げられなくなってしまう。深みの底に潜んでいるマスの口元に疑似餌を流すと言う事は疑似餌がマスの口元にまで沈む距離が必要となってくる。

沈める為には重たい錘を付け投げられなければいけない。冬の川と言うのは水生昆虫の幼虫が多く流されてくるためマスは川底に潜み口を開けてそれを飲み込めば餌が得られる。
これが水温が暖かくなってくると幼虫はハッチし始めるのでマスもそれを追って水面に浮上してくる。
春になり、川に鵜の姿が見え出すと稚魚が卵から孵った証拠であるので、マスも他の魚の?稚魚を食べだす。

その時期によってマスが簡単に食べやすい餌を多く食べているので、つり人もそれに合った疑似餌を使って釣ると良く釣れるようになる。フライフイッシングの面白さである。

こんな楽しみをカタマランを造って忙しい私は今は出来ないのだが、楽しいマス釣りにも川の釣り場を取り合う嫌な事が起こるのが好きではない。
つり人というのは誰もがもっと釣りたいため誰かが釣れているとその場所を何とか取ろうとしてくる。
川など海と違って狭いので直ぐに場所がなくなってしまい釣り場がない。

こんなこともあって海の釣りを考えているこの頃でありますが、海の釣りは面白さに欠けるのが難点ですのでカタマランが出来ればアンカー時に夕まずめにフライを使って釣りをしたいと考えているのです。又サンゴ礁のリーフの流れ込みを狙ってフライやルアーで釣りをすることを夢見ているのです。

ウエーダーと合羽を着ただけでこんな楽しい時間が持てる。カタマラン造りは進まないが雨も又いいものだ。

Monday, July 21, 2008

 

フェアリングステージ

フェアリングステージ

いつもこのブログは雨の日に書くので、読む人が見たら毎日雨ではないかと思うだろうが平均すると晴れの日が多いのです。どうぞ誤解無く。
昨日は久し振りの晴れ間に喜び「サァー今日は頑張って働くぞ~」とフィラーを塗りたくった船体を磨き出す。朝はあんなにそこら中濡れていたのに揺り返しの強い風が吹き出すと見る見る間に乾燥してきた。
ここ何日か雨の日が続きカタマランにコケが生えるのではないか?と思うほどだったのが風の力で総てが乾いてしまった。

ありがたい事にこの時とばかり磨き始め総ての仕事を今日中にやりたいと意気込んだが、あまりにも仕事が多くとても一日では無理で午後には疲れてしまい何時ものように「また明日にするか」と座り込んでしまった。
その「明日になって昨日の続きを」と始めようとしたら雨が降りだした。

「明日と言う日は無い」そこでこのブログを書いています。
野外工場というのがカタマラン造りのネックとなっているのだが、いい事もある。フィラーを磨くと凄いホコリがでるのですが、野外工場の場合は風に乗ってどこかに飛んで行ってくれるので助かる。
これが工場内でこの仕事をすると考えてみるとこの磨いたホコリをまた掃除して回らなければいけなく、掃除の仕事だけでも少なくて済むとこのメリットを喜ぶ。

ここしばらくは嫌でもこの仕事をやらなければいけなく、あまりカタマラン造りに変化が無く、ブログを書くにも同じ様な事を書くことになり写真を撮るにももう少ししなければ「絵」にならない。
船体にフィラーを塗っては乾かしそれを磨く。どこまで磨けばいいのか?いつまでこの仕事を続けるのか?と言うと「自分がギブアップ」するまでと言われている。
私の場合早めにギブアップをしたいと考えています。

凝り性の人はこの工程で毎日毎日磨くのですが、私の場合「個性を重視して」適当にやめて先の工程に進みたいと考えています。
(フェアリングの芸術)と呼ばれているが、私が思うには(ごまかしの芸術ではないか)?。
この工程を頑張ってやると人が見たときこのカタマランは素晴らしいと評価?がよくなるのだが、性能には余り関係が無く重たくなってしまうのが関の山です。
しかしマリーナで人がこのカタマランを見たとき『いい船ですね~』と言われたかったらもっと磨き出さなければいけない。

10メーターも距離が離れたところから見れば余り関係が無くなることなのに、何故か?頑張って磨き出さなくてはいけない。
ここがヨットを造る上で人件費が掛かるところである。
一般にビジネスで造る場合にはこの人件費を削る為に、型にはめ込み、ペイントをしなくても良いように一番先に型にゲルコートを塗り、その上からグラスとレジンをはり付けてゆく。これが固まるとバキュームで抜き出す。
これで出来上がり。

内装は別に薄い型を造りはめ込むと大体の内装が出来(インナーハルと呼ぶ)、その上に内装の仕上げや計器を取り付ける。また別にデッキを同じ工程で造ったものをこの上にかぶせる。
プロダクションはこれで出来上がり。

しかし自作はこの様に行かない。まず工場や型が無い。これだけで物凄い資本が掛かるため一艘位造るだけでは採算が合わない。どのぐらいか?と考えると「10艘」ぐらい造らないと採算が取れないといわれている。
そこで別の道を探すと他人の使った型を借りて船体を造ってもらう方法がある。これなら比較的簡単で速く綺麗な船体が出来る。

しかし同じ船しか出来ないところが残念な所である。後は一般的に「鉄」を使って造る方法がある。鉄は造船上一番安い材料と言われている。しかし重い欠点があるので50フィート以上で無いと他の船と同じ性能とならない。
一般に「鉄」は強いと思われているが鉄を使っても薄い鉄なので岩に乗り上げたり、金属疲労や錆びの問題がありよほど大きな船で無いとレジャーには向いていないようだ。

今はやりのクルーズシップでも岩にぶつかっただけで簡単に沈んでしまう事故がこれを証明しており、最近は高くつくが多くの豪華な船はアルミで造られている。
とにかくヨットを造っているとコストが掛かる事が実感出来る。以前70フィートのカタマランを見せてもらったことがある。

この船のデザイナーにスキッパーを紹介され見せてもらったのだが、素晴らしいヨットだったけど私の欲しがる船ではなかった。この船のオーナーはアメリカ人のビジネスマンで、浸水したばかりのこの船をアメリカに向け回航する直前でした。
話しはこの船を一艘2億で注文を受け二艘一度に造り出したそうですが、完成後この会社は倒産してしまいました。

いかにヨット造りは見えない予算が出て行くという事がこの話から窺えます。道楽と呼ばれるのも分る気がします。ヨットなど生活に必要な物ではありませんね~。
こんなことを思いながらも又フィラーを船体に塗っては又磨き落としている。なんて馬鹿なことを繰り返しているのだろう。「これが馬鹿な私の趣味なんです!」

Friday, July 11, 2008

 

厚化粧

厚化粧

冬の晴れ間を見つけてはヨット中を厚化粧よろしくレジンにフィラーを加えグルグルかき混ぜ、ピーナツバター状になったものを塗りたくっています。
これが乾くとヨットの表面が鉄のように硬くなります。鉄のように硬くなっても鉄のように重くはありません。

この重さがヨットの性能に将来大きく影響してくるのです。軽く強く造るのが一番金と技術がいる事なのです。
ここでやっとヨット中一回どおり塗りまくり終えた所です。(正確にいいますと床の部分が残っています)せっかく塗ったのにこれをまた削り落とさねば成らないのです。
この作業を楽にするためと平均に塗るためにギザギザのプラスチックのへらで塗ってゆきます。

一旦塗ってから三方向ぐらいの角度に波状に伸ばすと塗ったフィラーが平均になり、乾くと出来たギザギザの山の部分が削りやすくなっています。

ヨットの表面の凹んでいる所はへらを寝かすように塗り、膨らんでいるところはへらを立てるように塗ると全体が平均になってゆくのです。
この後乾燥したらギザギザになった山の部分を削り落し、また新たに少し柔らかめのフィラーを上から塗り、また乾燥後削り落としもう一度ぐらい柔らかいフィラーを塗るとヨットの表面がつるっとした感じに仕上がります。

ここまで来るとこの後ペイントをするのですが、ペイントもプライマーを塗り、アンダーコートを塗り、この後トップコートをしなければいけない。先の長い話である。

これらを天気や温度や風の方向を考慮しながら作業を進めなければいけない。工場があると比較的簡単なのだが野外工場は大変である。
もし20メーターX10メーターの工場を建てるとしたら2500万円ぐらい掛かり、借りると年300万円ぐらい掛かると思うので、天候の良い日を待って貧乏人の私は働こうと思うのです。

気の長い話しですが、毎日少しずつ完成に近づいていることが嬉しく、また出来上がってしまう事がカタマランを造る仕事や楽しみが無くなってしまうような淋しさを感じます。

 ところで前回のアジア人殺しの話しの続きですが、その後オークランド近辺のアジア人1万人ぐらいが集まり町をデモ行進して安全に住める町にしてくれと政府に圧力を掛けたのだが、政府は「お気の毒に」の一言でした。アジア人リーダー達が言うには、チャイニーズマフィアを自分達で雇い銃を持ち自衛するから政府に許可をくれと迫っている。
それに対して政府は『違法だからだめだ』と言う返答でした。
この国は国と言っても400万人ぐらいの人口ですので、日本の静岡県ぐらいです。400万人の人口で現在囚人の数はデーターによると8000人ぐらいだから、概算してみますと一箇所に300人ぐらい収容できるとして刑務所の数は26~7箇所ぐらいあると思う。これが満杯です。
静岡県にはどのぐらい刑務所があるのでしょうか?多分こんなには無いと思います。
一人当たり賄うのにNZ$150とすると一日当り$1,200,000.年間$438、000、000この額を税金を払っている国民を半分として2,000,000人で割ると一人当たりの負担は$220ぐらい。こんな数字と成るが多分現実はもっと多いんだろう。

だから殺人を犯しても直ぐに釈放します。これが一番経費節減策なんです。だからまた釈放した悪者が犯罪を犯し問題を起こすのです。
死刑が無い今、犯罪者は増える一方ですので400万の国民が犯罪者を養っていけなくなっているのです。困ったものです。

だからアジア人がもし犯罪を犯すと罪が厳しく罰金が多く架せられるように見えます(アジア人は金を持っているからと思います)こちらの人が犯罪を犯すと直ぐに釈放して社会奉仕の仕事をさせます。なぜなら現金が無いからです。

もう一つ、日本で言う覚せい剤だと思いますが、これが流行っており覚せい剤を買うために犯罪を犯す馬鹿が増えているのです。
いったいこの先はどうなって行くのでしょうね~。まるで昔のニューヨークのようになって来たのです。
昔ニューヨークではお互いに他人を信じられなくなっており、エレベーターなどで他人と乗り合わせると四隅に立ちお互いに相手を強盗ではないか?と疑い、エレベーターのドアが開くまでドキドキしながら恐々エレベーターに乗っていました。

またこんな時代が来るのかもしれないね~。

This page is powered by Blogger. Isn't yours?