Saturday, October 28, 2006

 

未だに作業小屋造り

未だに作業小屋造り

やっとのことで作業小屋が出来、「今度は風が吹いても大丈夫だろう」 と喜んだのも束の間、一通り完成した次の日から
春の気まぐれな天気は荒天と変り雨が降り出す。

翌朝小屋の出来具合を見る為覗いてみると、以外に出来具合が良いことが分かる。
これぐらいなら雨の日を除いて作業を続けることが出来るだろうと満足していたところ、その夜寝ている間に突風が吹いたと見え屋根の梁が折れていて、屋根と成っているテント地が垂れ下がっているのが窓から見える。

急いで小屋に行って見ると、暴風壁の梁が折れており局所的に突風が吹きぬけたことを感じさせる。
屋根の梁も4本折れぶら下がり自信があったのに風の一吹きでこの有様である。

さすがにしばらくは呆然と眺めているだけだった。
「これではだめだ」 こんなような気持ちが湧いてきて、
直ぐに直そうという気持ちが湧いてこない。

「やっぱりこの場所ではヨット造りは無理なのか?」などと悲観的な気持ちになってくる。
一時間ばかりその場に座り込んで眺め考え込むが良い案は浮かんでこない。
女房は手短なところからかたづけ始めるが私は座り込み考え込むばかりである。

女房がかたづけている姿を眺めていると 「私もかたづけを手伝わなければ」 と言った気持ちが湧いてきた。
やっとのことでかたづけを始めると少しずつ諦めの気持ちから、も一度手直しをして小屋を強化しようではないかとなってきた。

考え方がポジティブになってくると 「ここをこう直そうとかこのようにしたら良い」 などと考えが浮かんでくる。
一応かたづけが終わり又材木を買うことにする。

D、I、Y、、 センターに行き材木を買い求める。5メーターもある材木を14本買う。
これで合計85本の材木を買ったことになり、それでも未だ小屋の骨組みをやっている有様である。

D、I、Y、センターには最近凝った様に通っているのでお互いに顔なじみになっており、 「こんなに材木を買ってどうするのだと聞いてくる」
「仮の小屋を作っているんだ」と答えて 「材木が風で折れてしまった、お宅の材木は質が悪いのではないか?」と言い返す。

安い材木を探し求め 「質が悪いという客」 商売も大変だと自分で言いながら考える。まあ~冗談交じりでいうのだが相手も「自分で好きなだけ良い奴を見つけてくれ」とケロッとしている。

最近はD、I、Y、センターではトレーラーを貸してくれるので、それに材木を積み込み家まで持ち帰ることが出来る。
燃料代が高くなっている昨今では、配達代を貰って少しばかり配達をするよりトレーラーをタダで貸しお客にタダで持って帰らす方が経営者側も安上がりなのだろう。

未だこの材木を買ってきてから天気が悪いので小屋造りをしていないのだが、春の天気というのは今日は好天で素晴らしい春だと思っていると次の日には嵐になっており、まったく気まぐれである。
多分冬の天気と夏の天気が争っており 「今日は冬の勝ち とか夏の勝ち」などと毎日勢力争いをしながら少しづつ安定した夏の天気になって行くのだろう。

最近の天気は一言ではいえないようになってきており、どんな天気になってもだんだん驚かなくなってきたように思う。
しかし早く安定した天気になってくれないことにはヨット造りが前に進んでゆかない。
本日の天気も雨であり、今日は車を追い出したガレージで船体となる部分の下ごしらえをコツコツとやる予定である。

Friday, October 20, 2006

 

再スタート

再スタート

春の嵐に完全に叩き潰された我々のカタマラン製造工場は、又、一から出直しとなりました。
このぐらい風に壊滅されると改めて自然の偉大さ?を知らされると言うか、人間のひ弱さを知らされると言うか、
「参った 参った」素直に風を認めるようになってしまう。

今週は、風にも負けない工場を作ろうと、一本5メーターもある材木を70本せっせと買ってきて工場作りをしたのです。
風にも負けない工場と言っても作業工程上、何度かは屋根や壁を取り外さなければいけないので、
骨組みを材木で組み立て、長さ15メーター、幅3,5メーター、高さ4,5メーター、の借りの小屋風骨組みを作ったところです。

これに風除けの暴風壁を加え嵐でも耐えられるかな~と言う小屋を完成したのです。
これには元のテント小屋のパイプで補強して、テント地を張るのです。小屋といってもあくまでテント小屋にこだわっているのは、やはりカタマランが大きくてどうしても小屋を分解しないと組み立てられない事、

我々の敷地の問題と作業上の問題を考えた上で便利ではないか?との考えからで、そりゃ~大きな屋根のある工場が持てれば最高なのだが、宝くじが当たるまでカタマラン造りを待っているわけには行かず、とにかく出来る限り我々が許される範囲で造ってゆく。
足らないところは足らない頭を駆使して何とか解決してゆくと言う方針でやっているのです。

意外と今のところ不可能と言う事はなく女房と二人で何とかやっていますが、4,5メーターの高さに小屋の梁を取り付ける時にはチョッとこれは危険で二人では無理ではないか?と諦めかけて助けを求めようとしたのだが、
ここは知恵が必要だと考え少し悩んだ末に、考え方を少し変えただけで何とか二人で取り付けることが出来た。

こんな時にこんな大変なことを始めているにもかかわらず、その中で喜びを感じる一瞬であった。
「なせば成る」 こんな気持ちがわいてくる。この積み重ねがやがてカタマランとなり海に浮かべる日がキットいつか来ると感じる?のです。

どうですか、誰か一緒にやってみたいという物好きな方はいませんか?
我々のようにリタイヤをして何かやって見たいとお考えの方、「もし海の世界に入って見たい」とお考えの方メールください。

ヨットの世界にはおもしろい考えをした変った人が多く、今までの世界では会えなかったような人達が貴方を待っています。
言葉を換えると、変人、奇人、が多く、平和に暮らしていればいいのに、あえて大変な道を歩んでいる人達が多い。

何もわざわざ大変な生活をしなくてもいいのに、何自由なく暮らすことが出来るのにそんな生活に飽き飽きして、不自由な生活を求めヨットの世界へとはまり込んでゆく。
ヨットがセーリングをしている所を遠くから眺めていると一見平和そうであり、豊かそうなのだが、見ると、やるとは大違いであり、「何でこんな大変なことをやっているんだろう」と思うことがあるものです。

しかし、ヨットを降りて家に帰るとなんとなくぬるま湯に浸かっているような物足りなさを感じ、又、海の世界に行きたくなってゆくものです。
自然を利用した乗り物は決して便利な乗り物ではなく、いかに上手く自然と調和しながら人間の少しばかりの知恵を利用してセーリングを楽しむ。

こんな乗り物がヨットではないか?と思うのです。でも時には自然は人間に優しく最高な気分を味あわせてくれるのも事実です。

我々も日本では働いてばかりいたのですが、このまま働き続けていれば金銭的には豊かになるがきっと死んでしまうんじゃ~ないか?という事で、止めた~と日本脱出をはかりニュージーランドでヨットを買い求め大洋に乗り出したのです。
これが今からもう20年近く前の事となり、その後このニュージーランドに住み着き、今 又、新しくヨットを自分で造ってみようという新しい目標に向かって挑戦中です。

Saturday, October 14, 2006

 

4転び5起き

4転び5起き

まだ風が狂ったように吹き荒れている。
ニュージーランド南島では学校の屋根が吹き飛んだり、車が二台つぶれた、山火事が頻発しているとテレビで放映されている。

我々のところはこのニュースから見ると少し風が弱く、50ノットぐらいのゲールですが、風向きに切り開けている我々のヨット製造工場となるテント小屋は100%メチャクチャに叩きのめされてしまいました。 「全壊」「お見事」

このぐらいやられるともう抵抗したり手直しをしたりする気も無くなり、口から出るのは 「無情な風よ吹くなら吹け」
こんな歌の文句ぐらいで横目で見ているだけ。

一晩寝て、今日は何とかこの風を弱めようと夫婦で話し合い暴風壁を作ることに決める。
大量に材木を買い求めヨット製造地の周りを囲い始める。
半分やけくそな思いとまだ吹き続ける狂った風に、二人とも内心はイライラしている。チョッとした言葉の節々で引っかかり直ぐに口喧嘩が始まる。二人とも口を硬く閉じてモノを言わないようにして 「このぐらい風に吹かれるとかえって気持ちがいいね~」などと強がりを言いながら、今でも泣きそうな気持ちを抑えて暴風壁作りに励む。

それでも一日掛かって暴風璧作りをしているとなんとなく落ち着いた気分になってきた。
そこを又すかさず狂ったように風が吹く。風で倒れたテント小屋を今は片付けずにそのまま暴風壁作りをしている為、テント小屋が宙に舞い、中にあったものが飛び散ってゆく。仕方が無いのでもう一枚のテントをかぶせ中のものがせめて飛んで行かないようにする。

今では4棟のテント小屋がつぶされたのでテントの廃材料が手元に一杯でき、このテントのパイプなどをあらたに杭として使う使い方などをするのには困らない。

暴風壁の柱が立つとなんとなくどこかの競技場のような感じ、この柱に各国の国旗など揚げるとぴったりの雰囲気と成る。
この柱ができたのをきっかけに女房は落ち込んだ気持ちから立ち直り、新しいヨット製造工場のアイデアが浮かぶ。

坂道の土手を利用して暴風壁のような柱を立てる。そこから斜め下に屋根となる材木を数本渡し、新しい小屋を建てようではないかと言い出す。
これならヨットの一部が出来ても小屋を簡単に取り除き、又次の一部を作れる。これなら良いだろうとこの案を取り入れる事にする。

材木でがっちりと小屋のような物を作ると風には強いのだが、作業工程でどうしても小屋を何度か取り除かなければいけない。
このような課題があるために問題は難しいのだ。

一ヶ月の仕事が一日の強風にあっけなくメタメタにされ、 「何でこんなことをやっているんだ」と言った気持ちも有るが冷静になって見ると 「こんなに大変だからやって見たい」 。
以前このニュージーランドにやって来てヨットを買い求め 「海を渡って見たい」とヨットの練習をしていた頃、多くのニュジーランドヨットマンとめぐりあった。
この中の多くの人達が大きいヨットから小さいヨットまで何か自作した事があり、この人達と話し、

俺もいつかは自分でヨットを造って見たいと思ったものである。これが今のこの大変なヨット造りである。
「ヨットとは大金を遣って不自由な生活を買い求めるものである」と私は昔から言っていた。
今でも同じことをやっている。これがいつかやり遂げられたとしたら、イヤたとえやり遂げなくてもキット満足感が得られるだろうと信じている。

ところで、どうですか?
誰かこんな大変な喜びを求めてヨットを造りたいと思う人はいませんか?
世の中にはキット変り者がいると信じているのですが、どこかに居ませんかね~。

Thursday, October 12, 2006

 

試練の春風

試練の春風

前回の春風による被害でテント小屋を一棟つぶされ、これを翌日一日がかりで取り除き、修理した残りの三棟とヨットのオス型も何とか見られるように直したのだが、修理した翌日に今までよりももっと強い西風が吹き狂い残りの三棟のうち二棟を見事にバラバラに壊した。

ちょうど我々はテニス日だったので出掛けており、テニスをしながらこの風ではテント小屋がバラバラになっただろうと心配しながらテニスをしていたのだが、テニス場も砂埃と西風によりコートが枯れ枝や葉のゴミで溢れ、風でテニスボールはどこかに飛んでゆくはで大変でしたが、途中、急いで家に帰ってテント小屋が無残につぶされている様を見るのは忍びなく 「これは自然現象なのだ」と自分を慰め最後までテニスをしていたのです。

ヨットの世界では自然と上手く共栄、共存しながら操船するのが一番安全なことで決して自然に逆らわないことが鉄則なのです。我々のボスは自然のおきてであることを認めその一員である人間は自然に従う。

こんなことを考えながら家路に就いたのですが、この強風の中で無残にテント小屋がつぶされているのを見るのが恐かった。
心の中では昨日補強したテント小屋が無事建っているだろうとわずかな期待を抱いて帰ってきたのだが、一目見るとそのわずかな期待もむなしく西風は自分の力をひけらかすように無残にテント小屋を叩き壊し、そのテントで凧揚げをして遊んでいた。

「何てひどい西風なんだ」 その日はもう何もせずにただ遠くから西風が凧揚げをして遊んでいる様を眺め、「やりたい用にやるさ」 居直りの気持ちと自然には勝てないと言った敗残者の気持ちが腹の中でカクテルを作ってごぼごぼしている。

ヤケ酒でさえ飲めない今の私では(ドクターストップ)早めにベッドに潜るぐらいがせめてもの抵抗と言った有様でした。
ベットの中で次の対策を考えるのだが言い案が浮かんでこない。

問題は作業小屋となる大きな小屋を作れば良いのだが、先ず切り開いたところを崩れないように防護壁を作くら成ければいけないこと、役所の許可が必要になってしまう、予算がない、しばらくするとそれをとり壊さないとヨットの進行が進まない。
などなど色々と問題がありとにかく作れないのが現状である。

ヨットが大きい為その作業小屋もばかでっかいのが必要となってくる。
船体だけの外側が出来ると屋根が無くてもヨットは作って行ける計算なのだが、そこまで行き着く為には風を避け、雨を避ける、ことが必要となってくる。

この山を越えるのが今のところ問題である。「何か言い知恵が無いものか」 と 空っぽの頭を振ってみる、今のところ考えられるのはこの西風を遮る暴風壁を作ることだと考えている。

地形にも問題があり我々の土地は前にも書いたが、坂道に家が建っており平地が無いことと敷地のゲイトが西に開いているため西風に弱いのだ。何とかしなければいけない。
このブログを書いている今でさえ風が鳴いている。「何か吹き飛ばす獲物はないか?」そんな声えに聞こえてくる。

一晩寝た今日は又何とかしようと言うエネルギーが少し生まれてきたので朝の風が弱い時間に昨日の後始末をしようと考えている所である。
しかし同じ様にやっても又風に翻弄されてしまうのがオチなので何か言い手段を考えなければいけない。

所詮大きなプラモデルを作って遊んでいるのだから、壊れたからと言って悲壮感を持つ必要はなく落ち着いて自然と上手く共存共栄して行く道を考えなければと自分を慰める。

といっても心では 「くやしいね~」。これが本音である。

Monday, October 09, 2006

 

吹き続く春風

吹き続く春風

日本より自称酒盛り係のヨット乗りユカリちゃんがヨット造りの助っ人にやって来てくれ手伝ってくれたのです。
しかし何分 風が相変らず強すぎて仕事は進まず、少しニュージーランドの生活を楽しんで帰国しました。

彼女は新米のヨットのりで、仲間と時々セーリングを楽しんでいるとのことでした。
この彼女がニュージーランドを訪れるのは今回で4回目と言うニュージーランド好きで観光自体はもうする気は無く
「ニュージーランドの空間を楽しみ味わっていれば幸せ」と言っている少し変ったキャラクターの人です。

彼女を空港に送り返して帰宅すると、何時もの春風が吹きまくっていたのです。
家の窓からヨット作業場と成っているテント小屋を見渡すとテント小屋の一つが風に吹き飛ばされそうなぐらい揺れている。

それを眺めながら女房に 「見てみろまだこんなに揺れてもあのテント小屋はまだ建っているゾ!」 などと言いながら眺めていたのです。少し疲れていたのでゴロッと横になり少し時間が経つと今度は女房が言うではないか 「あのテント小屋が少しおかしい?ヒョットしたら倒れたのではないか?。」

驚いて先ほど自慢したこの風でも倒れないテント小屋を覗いて見る。
我が秘密のヨット製作場と成っているテント小屋は少し先ほどよりも低くなっている。これはもしか?したら ヒョットしたら?
急いでテント小屋を見に行く。

テント小屋は無残にも鉄の支柱が折れ曲がり、膝を崩すように倒れている。
応急処置をしようとしたがこの風では何ともしようがないので諦め、原因を探すように眺め回す。

原因は整地した土地が柔らかくペグが抜け、この風で揺れ動き、支柱の鉄棒が折れ曲がり倒れたのだと発見する。

「今回も風の勝ち」 前回は大雨が降り造りかけのオス型が散々壊され雨をかぶり被害を被ったのだが、
その前にも強風の為にオス型がなぎ倒されたのでこれで三連敗。

七転び八起きと言うがまだ転ばなくてはいけないのか?と落ち込む。
今日は一晩寝て又良い案を考え出して明日にでもやり直しをしようと自分をなだめすかしている所である。

しかしテント小屋はまだ四軒のうち三軒建っているので少しは救われるのだが、この先ビュウビュウ風の吹く中のテント小屋でのヨット造りは先行きが不安である。

女房がポロッと言う。「まだヨットを造る 気持?」
私が答える。 「造りたいから苦しんでいるのだ!」 「もし失敗したら海の世界から足を洗う」と宣言する。

すると上手くしたものでヨットのブローカーから電話が入る。
「貴方のヨットを見たいと言っているお客がいる、ヨットの鍵を届けてくれ」
今あるヨットを新しいヨット製作のため売りに出しているところだ。
別に海の世界を止めると言っても今すぐに止めるわけではないのだから、マサカ?、ヨットブローカーに聞こえたわけではないとおもうのだが?

まだ始めたばかりのヨット造りを今ギブアップするわけには行かない。
一晩寝るとキット又気力を取り戻す事が出来ると思う。
「窓の外を見る」 風は止みそうも無く、相変らず吹き続けている。
「頑張って建っててくれよ」と祈るような気持ちである。

Sunday, October 01, 2006

 

春風

     春風
ここしばらく好天気が続きカタマラン造りがまた一歩前に進みました。
天気は良いのですが風が強く、工場となるテントを建てている時に突風が吹き、
ハシゴに登って作業していた私はハシゴごと飛ばされ危うく怪我をするところでした。

ニュージーランドの春は毎年西からの強風が吹くのが恒例でして、この風が春の間中吹きまくり、この風が止むと夏になるのです。
ニュージーランド南島ではこの風は北西の風となって吹きまくり、時には車でさえ横倒しと成るほど吹きまくります。

こんな風が吹いている中で工場となるテントを二人で建てるのですから大変です。
出来ることなら鉄骨で固めたトタンの工場を建てたい所ですが、何分予算の関係で安上がりなテントにしたのです。
「予に不可能はない」 と言い切って金が出せないばかりに強風の中でテントを建てる。

テントといっても一棟幅6x3メーター高さ2,9メーターもある自動車のガレージに使うテントであり、これを四棟建てるのです。
途中強風が吹きまくり歯止めを壊してテントを壊したり、ポールと成る鉄パイプのねじれパイプが縦に裂けたりとハプニング続きでスッタモンダ

しながら 「強風実験をするには良い時期だ」 と強がりを言いつつ風と戦いながらテントを建ててゆく。

やっと二日掛かりで建てた二棟をしばらく実験的に放置してみる。
風がどの程度強く吹くと壊れるのか?二日後点検してみると何箇所かひび割れが鉄パイプに入っており、上から掛けたビニールシートが飛

ばされペグが抜けた状態でも何とか建っている。
鉄パイプは女房のアイデアーで接骨を直す様に、添え木とガムテープで固定する。

普通のペグではこの強風では持たないと判断して、パイプを打ち込み
これに何本かの紐をテントから地面に向かった方向に紐を余分に張る
これで何とかこの風でもテントが建っていることが出来ると判断したので、残りの二棟を建てる。

二人でスコップと一輪車で堀り均し開けた土地に、やっと四棟のテント小屋が建つ。
このテント小屋に二人で座り込みテント内を眺め回す。
なんとなくこのテント内の空間でカタマランが出来そうな気がしてくる。
テントの中は少し風が吹きまくるにもかかわらず、バサバサうるさい音がするにもかかわらず、居心地が良く、予想以上に温かい。

この中だったらレジンが固まると感じる。
ヨット造りではレジンを多く使用するのでこれが固まる温度や雨風がしのげる場所が必要となってくるのです。
この作業スペースを確保する為にテント小屋を建てたのですが、テント小屋だけでは十分なスペースが取れないので、天気の良い日にはテ

ントのシートをめくったりテント小屋を一旦取り除いたりしながら造ってゆく方針です。

一旦テント小屋が建つと我々の敷地に新しく秘密の隠れ家があるように、毎日せっせと通いこそこそとカタマラン作りを始め出す。
この秘密の小屋に電気コードを引き込みラジオなど掛け、
子供が木の上に秘密の小屋を作るように夢を膨らましながら作業を進める。

総てこのテント小屋で造るわけには行かないのでガレージで下準備をしてはテント小屋に運び込む。
先ずはテント小屋の床を水平にする。
床は土間のままですのでレーベルを使いスコップと板や材木で床を平らにしてゆく。
この上に船体の形造りに必要なオス型を組み立て船体を形作りそれをファイバーグラスとレジンで固める予定である。

オス型を二日掛かり組み立てている時、やっと何とか形が出来上がったんじゃーないか?と、ホッとし
家のデッキでお昼にしようと、春の日差しを浴びノンビリと食べているとき風が一吹き、
 「風が出てきた」 と言いながらも昼食を食べ終える。
テント小屋に行って見るとせっかく立てたオス型が一部風で倒れている。
これはいけないと急いで、組み立て直さねばとやるが作業ははかどらない。
気持ちはあせるが仕事は進まず二人で風に向かってブツブツと文句を言いながらお互いに 「早くしろ」と言い合いながら作業をする。
それから二時間もたった頃、突然突風がテント小屋に吹き込む。

その突風は我々が二日ががりで組み立てているオス型を一瞬の内に将棋倒しにしてしまう。
二人は声も出なかった。
「だめだ」こんな言葉は言いたくはないがこの時はそう思ってしまった。
倒れたオス型をそのまま起こそうともせずに作業を放置してテント小屋を離れる。

このままではだめだ。 何かの良いアイデアーが必要だ一晩考えてみる。
その夜、悔しさで眠れない女房がポツリと言った 「悔しいね!」 
次の日から女房が少し変った。今まで 「あんたの趣味に付き合っている」と言っていた女房が少し真剣にヨット造りを
考えるようになってきた。

「あんたに任しておくとこんな結果になってしまう」 とでも言うように少しヨット造りに真剣になってきた。
二日間の作業が風に倒され無駄になったか?と思っていたが無駄ではなかった。

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