Saturday, November 22, 2008

 

一人で働く


働けなくなった女房

ヨット造りは大変な仕事であると覚悟をして始めたのだが、やはり過酷な仕事であると思います。
刑務所などで囚人に働かせている国も多いと聞いていますが、そのぐらい大変な仕事であると思います。

それなのに覚悟をしてカタマランを造り始めたのですが、レジンを使う仕事のため体に付かないようにと厚手の作業着を着込み、ゴム引きの手袋をはめ身を固めて暑い日には汗だくで働く日々、女房は『サウナに入っているようだ』と働いていましたが、あせものようになってしまい体中が痒くなり、医者に行き薬をもらったのです。しばらくは痒みも消え楽になったのですが、薬の副作用のため(多分)手がかぶれてひどくなってしまった。

余りの痒さに手を引っかいたため見るからに大変な手にかぶれとても仕事を「手伝ってくれ」といえないほど可哀想な手になってしまい、その手が良くなるまで仕事を休まなければいけなくなってしまった。
それ以来私一人で出来る仕事を毎日コツコツとやってはいるが、やはり一人でやるにはこのカタマランは大きすぎるため簡単には仕事は進まず、一人でも出来る事を見つけては働いている日々です。

今まで二人で働いている時は「将来このカタマランが完成したら」と言う夢を語りながら大変な仕事をこなしていたのだが、一人でコツコツ働いている現在では気分が落ち込み気味になってくる。「挫折」こんな言葉が頭に浮かんでくる。

世の中は不景気のどん底でいまさらこのプロジェクトをやめても誰も後を引き継いでくれそうにもないだろうし、突然カタマラン造りをやめてもどうして時間を過すのか?と言う問題もある。
カタマラン造りとしては「作り出す」と言う面白さはもう多くは出来上がってしまったように思う。後は資金の量でどのぐらい豪華に出来るか?と言うだけだろう。

私個人の意見としては出来る限り質素に造りたい。豪華に作る金もないのだが、豪華なヨットに乗って見栄を張るような生活はしたくは無く、大きなカタマランを造っているのはただ大きなスペースが欲しいだけであり、セーリングの為の安全性と海上でのゆとりを求めてである。

こんな夢をかなえるために始めたカタマラン造りだが、今現在は気分的に落ち込みがちになっています。が、其処は気持ちを持ち直して「先は何とかなるだろう」と楽観的に考えることにしています。

仕事を一人でやっていると直ぐにこのような気分が巡りまわってくるのですが、仕事がいっぱいあるカタマランを少し離れて休憩がてら眺めて見るとき、こんなカタマランが現実に目の前に出来上がっている事が落ち込みがちな気分に励ましを与えてくれる。

「オー~ここまで出来たのだ」気分は落ち込んではいるが少しづつ少しづつここまで出来てきたではないか?。目の前のカタマランが自分に話しかけてくれる。
イヤ、自分が自分に話しかけているのだろう。
「今に前のように又二人で働けるようになるさ」又前のように夢に向かって働けるようになると思うよ。

長年の夢を作っているのだから突然夢から目が覚めるかもしれない、それでも良いじゃないか夢を見ていれば「夢を見て毎日を過していれば夢を見ないで過すよりは楽しい日々を過せるではないか?」「夢のカタマランを造っているんだ」「夢をかなえようとしているのだもの少しぐらい苦しみもあるさ」。

Saturday, November 01, 2008

 

喜びと苦しみ

相変らず毎日少しずつカタマラン造りは進んでいます。
何分野外で造っているため夜露が降りていたり通り雨が降ったりと労働環境は恵まれているとは言えませんが、冬とは違い、風が吹き気温が上がると働ける状態に戻る今の気候です。

先日窓の取り付けを済ませました。窓枠にアクリルの10ミリをジグソウで窓の形に切り抜き貼り付けるのです。最初の予定では8ミリのアクリルでしたが手に入らず6ミリ又は10ミリしかないと言われたので10ミリにして切り抜き始めたのです。試し切りでは6ミリのアクリルはドイツ製のジグソウの刃で簡単に切れたのですが、10ミリとなるとなかなか切れない。そのうえに刃が熱を持ってアクリルが溶け固まってしまい動かない始末。

そこで刃にオイルを少し落としながら何とか切っていたらジグソウが変な音を立てて壊れてしまった。新しいジグソウを買わないと今日の仕事は出来ないと諦めかけた所、以前に買った中国製の安物のジグソウがあるのを思い出す。
このジグソウならどうせ使っていないのでついでに壊して捨ててしまおうと20年前ぐらいに買ったと思われるジグソウの刃を取り付け切ってみる。「これが大成功」。

今まで一枚切るのに30分も掛かっていたのにあっという間に切れる。この時ばかりは中国製の安モンの機械を尊敬の眼差しで見たものだ。
しかしこれは機械の問題ではなく、多分昔の刃の材質が良かったのだと思う。
もう一台今使えている機械はグラインダーと言ってもいいだろう。中国製の機械は安いのでとにかく買って使って見るがたいがいは直ぐに壊れてしまうのが普通です。しかし保証期間があるため取り替えてもらうことが出来いい品に当たる事もあり運が良ければ長く使える。

とにかくこれで簡単に10ミリのアクリルが切れたので窓枠にあわせてみる。ここで女房が『隙間が少しでもあると雨が入ってくるのではないか?』と言うので「それもソウだ」と思い、枠だけでなく窓の面全体がピッタリとあうようにトライしてみる。
私個人としてはシーラントで貼り付ければいいんじゃ~ないか?と思うのだが真面目な女房は何とかすると言い張る。

それから1週間近く『ア~でもない,コウ~でもない』と、やっていたが幾ら努力をしても余り良い結果は得られない。「このまま時間を掛け続けると残り少ない人生が終わってしまうのではないか?」と、とにかく窓を貼り付けることにしてしまった。
結果的にマズマズぐらいに貼れたのだが、初期の予定より明るめのスモークグラスだったため端の処理が難しく、この後の課題として処理の仕事が残されてると言ったところです。

窓が付くと今度は船内が息苦しくなってきたので換気の為のハッチを付けることにする。
せっかくここまで2年間も船体を密封する為に努力してきたその船体を切り抜かなければならない、これは何ともいえない勇気のいる事である。
ハッチを取り付けるのに船体を切り抜くのは当たり前のはずだが、何故か勇気がいる。

しかし一旦穴を開けてしまえば何処に穴を開けても平気に成る。ハッチは取り付け中ですが、働く側の我々二人の体調がイマイチ良くない状態で困っている。

私は持病の腎臓病関連の通風が出て痛み止めを飲みつつ足を引きずって働いており1週間ぐらいはこの調子は回復しないのではないか?と思われる。痛め止を飲むのだが副作用が恐ろしいので最低限で抑えている。痛みを「味わい」「この痛みを感じている間はまだ生きているし神経が通っている証しだ」と苦し紛れに強がりを言っています。

女房は女房で働きすぎのため「手がかぶれて顔がはれて」大変な状態である。この状態を何とか元に戻さないと前に進めないと言った状態です。「苦あれば楽あり」この時を乗り越えればキット楽が来ると信じていますが「本当にくるかな~?」。

歳は取りたくはないがこれだけは仕方の無い事です。オマケニわが家の飼い猫まで背中を丸くしてうずくまっている姿を見て、ネコに向かって「オイ背中がまがっているぞ~猫背になるぞ~」と励ましている始末である。

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