Friday, February 29, 2008

 

床が出来上がった



床が出来上がった

やっとのことで床が出来上がりました。未だ床板は止めていませんが, この先構造上のインスペクションが必要かも知れないのでそれまでは仮の板を置いて置く事にします。
最近はニュージーランドにセーリングしてくるヨットが増えており、近海で嵐に遭いレスキューを要求するヨットも増えています。

小さい国のニュージーランドではこの海難救助のための出費が嵩み財政難になっているのです。
だから救命道具や安全部品が値上がりして、ニュジーランドの船が外国に行くためにはかなりの厳しい検査が必要になってきます。
これにパスをしないと国外には行けない取り決めとなっています。

特に新艇は造船途中に構造上の検査を求められるそうです。昔はコンナ事が無かったのですが新しい産業振興と税金を取るためなのか?。
日本の様に一部の人が桜の御紋をつけその金をポケットに入れているのかな~・とひねくれて考える私です。

とにかく何とか床が出来、本日は大雨が降るというので休みとしてブログを書いていますが、未だ雨が降らないので何か休んでいる事が「罪」に感じているのです。
床が出来上がると今まで雨が降り船内に溜まった水をバケツリレーで汲出していた水を、今度はバケツが小さく区切られた底に入らなくなりどうして汲出すのか?と思案しています。

今までは一旦大量の雨が降ると船内がプールとなるため水をかい出すために1時間~2時間の労働でした。
それでも今まではバケツや小さなちりとりでかい出せば良かったのだが、これからはミルクの入れ物を切り取って使い少しずつ水を汲み出すしか仕方なくなってしまう。

ミルクを世界でも一番生産しているニュージーランドでも我々はミルクを飲まないことにしており、(ミルクが買えないのではなく、健康に良くない疑いがあるから)
このミルクの入れ物に代わって何を使おうかな~と変なことを心配しているのです。

これからはどうにかして船内に雨が降り込まない様に対策を考えないと思っていますが、水と言うのは何処からでも入ってくる厄介なものです。干ばつの時には水はありがたい天からの贈物と成りますが、今の我々はしばらく雨は降らないで欲しいと勝手な事を願うのです。

これからの作業計画としてはデッキや屋根が取り付けられることに向かって仕事を進めたいと考えています。
本来の造り方としては、これらは別に造り最終的にクレーンで船体にかぶせるのですが、野外工場と我々の個性的な考えで造っているカタマランは他の部分と同じく船体に足して行く造り方で行こうと考えています。

この造り方では空中で繋ぎ合わせなければいけないこともあり難しく、大変でもありますが前に進んでいくしか無いと考えているのです。
とにかく野外工場ですので何とかこの夏の内に屋根を付け、雨風を凌げるようにまでしたいと考えています。
カタマランのサイズを大きくした動機の一つは船内で働きやすいと言う事です。

今の船で懲りているのはメンテナンスで作業スペースが無く体中がこむら返りしそうな姿勢で作業しなければならないことです。
年老いてだんだん体が硬くなっているので曲がらない体でエンジンルームなどでメンテナンスをしていると、体が硬直して狭いエンジンルームからこのまま出て行けないのではないか?と思ってしまう。

Saturday, February 23, 2008

 

カタマランの床作り

カタマランの床作り

フランスのヨット,トリマランがニュージーランド沖でピッチポールし横転したことが良いニュースソースとなっています。
記録に挑戦するレース艇が横転してもレースカーがスピンして横転したようなものですので特別何とも思いませんが、30ノットでサザンオーシャンを走り抜ける事を考えると「凄い」と感心します。

このヨットは曳航され陸に揚げられました。これを修理して再度記録に挑戦するそうです。今度はきっと成功するでしょう。

我々はただ今、カタマランの床に挑戦しています。世界記録に挑戦している人達がいますが我々は床作りに挑戦です。
床作りは出来上がれば見えないところでもあり、こんなのは簡単に出来るとタカをククッテいたのですがこれが大変な仕事です。
床の型に一枚づつサイズを取りジグソウで切り出してゆくが、床の表面や場所によって色々な個性がありこれにあった形を切り出してゆかなければいけない。一回で形を切り出せないので、切り出した形をグラインダーで削り、再度合わせてゆく。

これを100枚ぐらい造らねばならない。それが出来たらこれを一枚づつ貼り付けてゆく。「大変な仕事である」ヨット造りで一番大変な仕事かもしれない。
床のスペースを何か入れ物に使いたいため箱状に造りその上に床板を張る、一見簡単そうだが船底の補強と一番多く歩く場所である為に丈夫さを要求される。

この面倒で細かい仕事をするために助かっている事は、ただいま雨模様のため涼しい事が救いです。この様な細かいイライラする仕事の時に暑いと気分を逆なでされた様で頭がパンクしてしまう。
やはりコンナ面倒で細かい仕事は音楽でも聴きながらノンビリと気分良く仕事をしたいものである。
今、も一つ良いのは、ビニールシートを掛けながらでは有るが雨でも多少の雨漏りを我慢すれば仕事が出来るようになっている状態が嬉しい。
昨年は雨が降れば途方にくれていたのに今は少しの雨だったらカタマランの中で働く事が出来る。これは我々にとって天と地の違いである。

こんなチョッとした違いに喜びながら面倒な床作りを毎日しているのです。床が出来上がったら写真を撮ってお見せします。
この床作りと平行して水のタンクを作っているのです。大きさは90x100x40、厚みを引くと約300リッターぐらいか?このタンクを両サイドに一個ずつ取り付ける予定です。

基本的に飲み水は別の小さな入れ物に入れて細かくしまい込み、このタンクの水は洗いものやシャワーなどに使う。水の補給はマリーナや雨水を中心としています。
飲み水はミネラルウォーターを買ったり、雨水をためて飲む予定です。地域にもよりますがこの辺は雨水が一番綺麗な水と思われます。
我々が今の生活で飲んでいるのは、井戸を150メーター掘り、汲み出したミネラルウオーターを飲んでいるため、これに慣れきっておりマリーナの水は不味くて飲めなくなっています。うまい水の事は真剣に考えています。

最近は浄水器や造水器などをヨットに積みますが特別燃料や電気が必要となって来ます、この必要性を長年考えているのですが、これらを備え付けている人達に話を聞きますと実際にはあまり使っていないように思います。

造水器を使えばフィルターの問題があり、かさばる高いフィルターを一杯用意しなければいけないし、使用後にはフィルターを洗い流さないとバクテリアが繁殖して使い物にならないと聞きます。
こんな面倒なことをしなくても昔風の雨水を溜め込む方が我々の生活にあっていると思うのです。最近は飲み水を簡単に買うことも出来るし、今までの経験から考えて水の補給はほとんどいたるところで可能だと思うのです。

ところでこの水のタンクに今水を溜めて水漏れのテストをしています。丁度雨降りのため水が溜まる?と思い外に出しておいたのですがあまり溜まらず、ホースで水を入れここまで入れたと言う印をして置く。雨がこのまま降ってタンクに溜まると水は増えるし、水漏れがしていると水は減って行くはずである。

この水を入れたタンクに、船体に使ったマテリアルの端仕切れを放り込んで浮力テストをしてみたのです。
もしカタマランがバラバラになり海でどうなるかと言う想定です。我々の材料はプラスチックの中でも一番軽いので、その材料にグラスを多く張った一番重そうな端切れを投げ込んでみました。

結果は予想どうり水の上で沈む事無く風船を膨らませ水に浮かべた状態と似た浮かび方で、風が吹くとスーッと動き、このカタマランが完成した時に海の上で軽い風船の様にスーッと走る事が予想されます。
この水に浮かんだ切れ端に一キロぐらいの錘を置いてみました。これでもこの切れ端は水に浮かび錘を載せて風が吹くとタンクの中でセーリングしていたのです。

この船体の切れ端は15センチx20センチぐらいですので計算をして見ますと、1立方センチあたりの船体のマテリアルの浮力は3、3グラムと思います。
この計算で船体全部のマテリアルを大体計算してみますと1トンぐらいのマテリアルの浮力があると思われます。
これはどう計算するのか?分かりませんが、もしこのカタマランが海でバラバラになったとすると絶対に沈まないだろうと思うのです。

参考に手元にあったパーチィカルボード(紙のような物を貼り合わせた板状のもの)も水のタンクに放り込んでみました。これは水面ギリギリに浮かび我々のヨット材料と違い今にも沈むのではないか?と思うほど浮力がありません。しかし沈みはしないのです。
これに物を載せるときっと沈むでしょう。

この実験からこのエクストラ浮力はヨット造りにおいてどう理解すれば良いのか?分かりませんが、この浮力が軽い船を造り、小さな力で船を速く走らせるだろうと想像できます。

Thursday, February 14, 2008

 

ヨット造りと気候

ヨット造りと気候

昨日、ニュージーランド人が操船するカタマランがオーストラリア沖で浸水のため沈んだと言う珍しいニュースがありました。
私はカタマランは沈まないと書きましたが沈む事もあると言い直さなければいけなくなりました。

しかし不思議です。原因を想像しますとカタマランのマテリアルは何だったのだろうと考えます。例えば、海水より比重が重い材料を使った場合船内に海水が入ると沈むことになります。例えば、キールの無いカタマランは鉄で作った場合一定量の海水が船内に浸入した場合沈没するでしょう。
フェーローセメントやアルミニュームでも沈むと思います。

ニュースでは「海水が入って沈んだ」と報道されただけで詳しいことが分かりません。もしかしたら船内に黄金を山ほど積み込みオーストラリアからニュージーランドに隠して持ち込もうとしたのかもしれません。
「海」の世界では摩訶不思議なことが多くあります。

麻薬を運んでくるヨットがあります。以前セーリングに行きサウスアメリカ船籍のヨットの後ろにアンカーを下ろし停泊した事があります。
サウスアメリカ船籍のヨットは珍しいのでジロジロと眺めていましたが船内に誰もいる気配がありません。
キッカケがあれば話しでもしたかったのですがチャンスがありませんでした。

後日テレビで麻薬を運んだヨットがあり拿捕されたと言うニュースがありました。そのヨットが例のサウスアメリカのヨットだったのです。乗組員はニュージーランドに着き次第飛行機で出国したそうです。
ヤバイ事に巻き込まれずに済んでよかったとホットしました。

ニュージーランドの南島でも新年のドンちゃん騒ぎで若い子が二人消えてしまった事件がありました。
この事件でアンカー中のケッチがこの若いカップルを誘拐して殺し海に投げ込んだとして、ニュージーランド中に捜索願が出た事があります。
結果的にこのケッチは見付からず行方不明のカップルも見付からないままです。

しばらくして、捜索願のヨットと違う小さなスループが捕まりオーナーが殺人罪で逮捕され今も刑務所にいます。
全然違うヨットを捕まえたポリスは未だにこれについて何も発言しません。

周りの証言する人達やヨットの捜索願いの絵も全然違うし、死体も未だに見付からないのにヨットのオーナーは刑務所行きです。
この原因は被害者の一人が市長の娘であり、捜査費用が2億ぐらい掛かった為、誰かを捕まえなければならなかったのではないか?と思います。
いかに権力と言うものが恐ろしいかと言う事が分かります。

ここで私のカタマランの話しに戻りますが、
ただ今、フロントウインドやサイドウインドの窓枠辺りを作っておりますが、初期のデザインでは窓枠を大きく取り明るくする予定でパーツも作ってありましたが、「これでは暑いのでは」と言う疑問を持ちましたので考え直してみました。

最近のパワーボートやカタマランではフロントウインドが埋められているデザインが多くなりました。マリーナに止めてある船を見て回るとフロントウインドにシートを掛け日除けをしている船を多く見掛けます。
オーストラリアのヨットは日除けを多くすることを考えて造られ、ニュージーランドのヨットは太陽が沢山当たるスペースを多く取ると言われています。

これはその土地の気候に左右されていると言えるでしょう。
私の場合を考えて見ますと、太陽がさんさんと輝く下で日光浴と言う歳でも無く、この頃は日向にいるだけで体力を消耗するのであまり暑いのは好みません。そこで風通しを良くして涼しくする方向に考えてデザインし直しました。

Saturday, February 09, 2008

 

セーリングカタマランのエンジン

セーリングカタマランのエンジン

ヨットのエンジンはディーゼルと判を押したように言われるが本当にそうなのか?と考えてみました。

長年ディーゼルエンジンを使ってきた経験から考えて、ガソリンエンジンと比べて見ますと
車の場合、トラックのような重たくて力が必要な車は、トルクが強く粘り強い燃費の良い経済的なディーゼルエンジンが最適だと思うのだが、
たまに荷物を少し積みドライブする自家用車ではガソリンエンジンが良いと思うのです。

ヨットも同じ考えが当てはまると思います。重量が重たく水中抵抗が大きいキールの付いたヨットでは、海水をかき分けて押しのけるように走るためディーゼルエンジンの力強さが必要と思われますが、カタマランの様に水中抵抗が少なく軽く造られたヨットでは、海水を押しのけるイメージから海面を滑るように走ると言うイメージに変るためガソリンエンジンでも充分ではないのか?と考えます。

では何故判を押したようにディーゼルエンジンがいいと勧めるのだろう?。エンジンメーカーから裏金でも出ているのだろうか?。
ガソリンエンジンの一番の欠点は燃料が発火しやすく危険だと言う事だろう。

ここニュージーランドはご存知の様に海に囲まれた国で、二軒に一軒はボートを持っているといわれる国です。(大きさの違いは有ります)
私の知る限りこの国では20年間ガソリンエンジンの事故は一件だけありました。この原因は給油中にタバコを吸っていたため爆発したと言う事です。
これはガソリンでなくとも一般常識に欠ける事故と言えるのではないでしょうか?
ガソリンが爆発するよりプロパンガスがもれ船内にたまり爆発する事故の方が多くあるのに、プロパンを積んでいるヨットが多いのではないでしょうか?。私もその一人です。

我々の回りを考えて見ますと草刈り用のエンジンから始まって、車、モーターボート、総ての小さなエンジンがガソリンを使用していますが、特に一般常識で取り扱いさえしていれば特別何も恐れる事はありません。
それなのに真しとやかにガソリンエンジンは危険だとささやかれています。

燃費を考えて見ますと4サイクルガソリンエンジンはディーゼルエンジンより40%燃費が悪いと言われています。
と言う事は同じ距離を走るのにより多くの燃料を積まなければならない欠点があります。しかしガソリンエンジンはディーゼルエンジンより三分の一のエンジン重量で済みますのでその分燃料を積むことも出来ますし、ガソリンの比重はディーゼルより軽く、軽い分僅かですが燃費が良くなるといえます。

カタマランの様に軽く水中抵抗の少ないヨットは、セーリング中水中からエンジンを上げておくことが簡単に出来ますので、より走りがよくなり微風のときにもセーリングできますのでより燃費がよくなるでしょう。
燃費が経済的だと考える以前にディーゼルエンジンとガソリンエンジンのコストを考えて見ます。

ディーゼルエンジンを載せるにはエンジンベッドを作る必要があります。これはディーゼルエンジンが重たく振動が大きいためかなりしっかりした丈夫なベッドが必要となります。
このエンジンベッドにエンジンを載せるのですがカタマランの場合セールドライブがいいでしょう。これが一番簡単でパワーロスが少ないでしょう。
このエンジンを冷やすためクーリングシステムが必要となります。海水を船外から取り入れこれをエンジンに送り込みそして排気ガスと共に船外に出します。

そのための排気ガスの配管が必要です。最近の海水は汚れておりゴミが多いので海水を濾すストレーナーをつけます。
そしてディーゼルエンジンに燃料を送るための配管やタンク、燃料のフィルターが必要です。
これら総てを加えてコストを比べてみますとディーゼルエンジンはガソリンエンジンの5倍ぐらいするでしょう。何故こんなにディーゼルは高いのでしょう?幾ら燃費が良くても普通の乗り方では(例えば私の場合年間200リッターのディーゼル)燃料代何て微々たる差です。

私のカタマランで比べてみますとディーゼルエンジンの場合は27馬力ぐらいを二機付けると最適です。これは適度のパワー、燃費、経済的、重量によります。
ガソリンエンジンでは9,9馬力二機あればいいでしょう。このエンジンにピッチの大きなプロペラを付け、ロングシャフトにすれば最適ですし、チィルト装置をつければ簡単にエンジンを海水から上げておくことが出来ますのでエンジンの電蝕問題で悩む事もありません。
セールドライブもアウトボードエンジンも同じですが、ヨットの場合速く走ることよりも瞬間的な制動力を必要とする事が多くあり、プロペラの大きさが必要ですが、水中抵抗が大きくなるため必要の無い時にはエンジンを海水から引き上げられるアウトボードエンジンが有利でしょう。

私のモノハルヨットは8トンありますが、ゴムボートをヨットに横づけして2馬力のアウトボードで静かな時にはゆっくリ走ることが出来ます。この様に走るだけならば2馬力の船外機でも走れるのです。一般にヨットのエンジンは1トン当たり3馬力あれば良いとのデーターがあります。
プレーニングしないヨットはハルスピードと言うものがあり幾ら大きな馬力のあるエンジンを積んでもウエイク(船体で起こす波)を作るだけで速くは走らない。

ディーゼルエンジンの場合は燃費は良いのだが燃料内に水が混入するためエンジントラブルが起こります。エンジン関係での故障の90%は燃料関係でしょう。
ガソリンの場合はコンナ事は起こりません。

メンテナンスもディーゼルエンジンの方が多く必要となります。耐用年数はディーゼルエンジンで40年ガソリンエンジンで20年、コストがディーゼルエンジンで約500万円ガソリンエンジンで100万円ぐらいでしょう。(これはニュージーランドでのエンジン関係総てを含む二機のコスト、備え付けの労賃は含んでいません)。

私はカタマランのエンジンをガソリンエンジンにすることに決めました。
もう一つ大事な事は船外機は電気を少ししか発電しない欠点がありますが、私はソーラーパネルとウインドジェネレーター、発電機を備え付けようと考えています。
これの方がより自然に近い生活が出来ると思います。

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