Sunday, September 30, 2007

 

チェンジライフ

チェンジライフ

今週もマスト造りに明け暮れました。もう少しでほぼマストが2本出来上がります。後はペイントをして出来上がりですがペイントは総て一度にする予定ですからしばらくどこかに寝かして置く事になります。

マストを繋ぎ終わって今フィリングと言うのをやっているところですが、これはフィラーという粉をレジンでコネて塗りつけ乾いたところを磨き出すと綺麗な表面が出来上がり強度も出てきます。この後、私のやり方では200グラムのクロスを貼り付けレジンを塗って出来上がりと言うところで又雨降りとなったのです。

ブログを書くのはたいがい雨降りの日ですのでニュージーランドは毎日雨が降っているように誤解されますが、晴れる日と雨が降る日が定期的に訪れています。
私としては晴れの日が多いと助かりますがそんなに都合良くいかないのが世の中ですね~。

こんな雨の日には買い物に行くのが我々の行動です。最近天気が好転してきたので春の暖かさに浮かれ出したのか売りに出しているヨットを見せてくれと言う要求が多くなってきました。
毎回自分で案内しているとカタマラン造りの時間が取れなくなってしまうので最近は業者に任せていますが、昨日は近くの人らしい方から連絡が入り買い物にも行くことなので久し振りに我々自身で案内しました。

毎日ヨット造りをしていますと一週間に一度の買い物が人と触れ合う唯一の時間となるため、昨日は近所の若い夫婦がヨットを見せてくれとの要求に「たまには人と触れ合って見るか?」と出掛けたのです。

ヨットを売りたいと思っても高い買い物ですので簡単には売れないのですが、「あわよくば」的気持ちで案内するのです。
ヨットを買ってセーリングを始めようと思う人達も、日頃の安定した変化のない平和な生活に、何とか変化を与えたいと考える人達が多く、ここニュージーランドでも食う為に働くと言う人は少なく、自分達の生活をエンジョイしたいがために働き、得た金を喜びに使う。

社会制度が良いニュージーランドではほとんどの人達が貯金などしなく、(一部の人達は金を貯めることに生きがいを感じ、金を集める事を趣味としている)借金することに慣れきっており、返済する事を考えていないのではないか?と思うほど借り出して使っている。

我々が見ると一見豊かな人達が多く見受けられるが現実には借金の山。しかし借金と言うのは慣れるとただの数字のやりくりだとでも思うのか?平気な顔をしている。
今この国は、日本から多くの投資が入っているため景気がいいように見えるが、この国自身は投資をやりくりしているだけでまったく返せる可能性は無く、アジア人に働かせて白人がその金を使う。こんなシステムでアメリカを初めに総ての白人社会がアジア人の金を搾取しているように見える。
 
ところで、こんな人達が何か刺激的な事はないものか?とヨットを見に来るのですが、昨日の人達はホリデーにフィジーに行き、ホテルに泊まっていると目の前の海に多くのヨットが停泊しており、南太平洋をセーリングしている人達に憧れ、「我々もセーリングを始めよう」とヨットを探し始めたと話してくれました。
出来合いのホテルに泊まって酒を飲み夕日を眺めても今の時代感激しなくなっている。南太平洋のホテルに行く前にもうイメージが出来上がっており、何処のホテルに行っても同じ食事や酒を飲み同じサービスを受ける。

こんな旅行から考えてヨットで南太平洋を回っている人々を目にする時、何と未知な生活に見えることでしょう。
この人達と触れ合うとき、ヨットでしか行けないような南太平洋の小さな未だ純粋な人達が住む島を訪れた話しなどを生に聞かされると、
ホテルで酒を飲んで聞かされる側は何と滑稽な自分に見えることだろうと想像される。

この時奥さんが言ったそうです。「我々もこの人達のようにセーリングをやろう」。

この若夫婦の家族は、世界中に散らばって生活しているとのことで、世界中にいる家族のところにヨットで将来訪れようと計画しているようです。
ニュージーランド人としては珍しいことではなく、英語を話す国民の良さを生かして、世界中を旅して高給な収入が得られると思うとそこで働いたり住み着いている。
この奥さんのお兄さんも今エジプトでカタマランを造っていると聞き我々と話が合い、旦那の方は釣りが好きなためヨットの話しより釣りの話しをしていたように思う。

ヨットの方はキット誰かがいつか買ってくれるだろう。「団子より花が好きだ」と言う人がキット世の中にはいると信じる。

Sunday, September 23, 2007

 

ニュージーランドの今日この頃

ニュージーランドの今日この頃

ここ10日ぐらい晴れた暖かい日が続きカタマラン造りが出来ましたが又、雨模様の日になってきました。

我々の野外工場は天気に左右されますので雨の日はお休みとなる日が多いのです。この調子では完成は何時になるのか想像もつきませんが、まあ~趣味のヨット造りですので急ぐ事はないと居直るしかないと言うところです。

ところで前回にも書きましたが、何故か?わがロッジを買いたいから見せてくれと言う人が連絡してくるようになったのです。
本当に買いたいのかどうかは不明ですが、我々としてはもうすでにカタマラン造りを始めている事でもありますし、たとえ本当に売れたと仮定して今後の我々の身の振り方を考えて見ますと、「何処へ行けばいいのか?」と言う不安に駆られます。

さっそくインターネットで行く先を探してみました。造り掛けのカタマランを持って住むところと造る場所があるところで、出来ればカタマランを海に運び出せる可能性がある場所と限定して探してみると、なかなか満足できるところが見付かりません。
海沿いの土地は値上がりが烈しくてとても我々の予算では買えるところは無く、良さそうな土地は総てと言っても良いぐらいディベロッパーが開発しており、宅地として売りに出されています。

こんなところではカタマランなど造れないし、土地も狭い。それではと工場の空き地や貸し工場などを探して見ると値段がますます高いし期間がある。結果的にかなり割高になってしまう。
ニュージーランドはただ今バブルの真っ最中ですのでとても手が出ないのが現状です。
借金だらけの人々が自分の借金を誰かに払ってもらおうと考え、その上利益まで得ようとしている今の状態では土地が値上がりし続けています。

今年のニュージーランド不動産の平均値上がりは13%だそうです。データーと言うのはどこまで信じられるのか分かりませんが発表されています。
こんな状態でもし我々が今の場所を売ったとして引越し出来そうなところは、かなり不便で災害がありそうな誰も買いたくないと言うような土地しかないと探していてそう感じました。

我々の住むタウランガは、ほとんど災害もなく平均気温はニュージーランドでも高く住みよいところですので、ここから引越してどこかいいところはないものか?と探してもあるわけがないと結論になってしまいます。

そこでカタマランが海に浮かべられる状態になるまでこの場所に留まることにして、今、広告を出しているインターネットの売値を上げることにしました。こうすればたぶん「買いたい」などと言う人もいなくなるだろうし、広告もこのまま出しておけるので総てが解決すると思います。

値上げをした金額でも買いたいと言うならば, 我々も売って造り掛けのカタマランをどこかに運び出し完成させる事も出来ると思うのです。
多分あと1~2年すれば海に浮かべることが出来るので、そのときの売れそうな値段で売ろうと計画していますが、世の中戦争のにおいがして先はどうなってゆくのか分からないといったところです。

しかし、ニュージーランドは日本から見れば地の果てですので、世界で戦争が起こったとしても少しだけ響きますがほとんど影響が無く平和に暮らしてゆくことが出来ます。
少しガソリンの値段が上がるし、総ての物価が上がりますが質素に生活をすれば平和を保てる事でしょう。

私の好きな魚釣りがもっと出来るし、漁師達も油代が高く魚の売値が高くなるので売れず、魚を余り獲らなくなり海には魚が増えるでしょう。
こんな素晴らしい国が未だにあります。皆さんニュージーランドに移民して来ませんか?しかしニュージーランドも我々が来た20年前から比べると少しずつ汚れており、実際に生活する土地では(観光地ではなく)住み辛くなっていると言うのが本当のところでしょう。

あと20年もすると北半球の国々と同じ様に荒れるのでしょうか?開発途上国ですので豊かになるなと言うのもおかしな事ですが、豊かになると綺麗な空気や自然、優しい人の心、住み心地のよさ、などを引き換えにしなければ行けないというのが現実でしょう。
この間スイス人から問い合わせのメールが入り、その中にニュージーランドの綺麗な国に住みたいという文がありました。

私は驚きました。昔々少しの間居た事のあるスイスは,何て綺麗な国だろうと言ったイメージが残っていたのですが、思えば確かに綺麗な国ですが何故か公園といったような美しさでした。自然が作り出すような美しさではなく人口的な美しさと言えばいいのか?。
こんなスイスに住む人がニュージーランドの様な美しい国に住みたいと書いてあったことに驚きを感じたのです。

ニュージーランドに移り住むのは今のうちですよ。

Saturday, September 15, 2007

 

マスト製作 ナンバー2

マスト製作 ナンバー2

今週もマスト作りに明け暮れていました。
二本目のマストを繋ぎ、先週作ったマストにフィラーを塗りたくり、それが乾いた時点でサンドペーパーで磨き出す。
手間の掛かる仕事ですが少しずつマストの表面がスムースに成ってきます。

この後、クロスを貼り、レジンを塗ってマストは出来上がります。これを二本作るのですが一番難しいところは真直ぐに繋ぎ合わすと言うところです。
ガレージで1メーターづつ作ったマストの筒を4本繋ぎ、外に持ち出し15メーターに繋ぐのですが真直ぐな場所が必要なのです。
今回は家のデッキで11メーターまで繋ぎ、その繋いだマストを丘の上に運び出し最後の4メーターを繋いで見ました。

前回のマストが少し未だ曲がっている事に気が付き、どこか真直ぐなところがないか?と探した結果、家のデッキで作れるのではないか?と、チャレンジしました。今回はほぼ真直ぐなマストが出来上がり満足しています。
この繋いだマストを丘の上まで運び上げるのが大変な仕事で、二人で担ぐのだが少し無理があり、ワイフの得意のアイデアーが出て、一輪車を使い片方をそれに載せもう片方は持ち上げて坂道を運び上げる。

このアイデアーが上手く行き比較的簡単に運び上げ、今これに最後の4メーターを繋ぎ合わせたところです。
今のところ比較的良い天候に見舞われ仕事がはかどっていると言ったところですが、屋外工場で作業すると言う事は大変でして、
フィラーをレジンと混ぜピーナツバター状にするのですが、風が来ると軽いフィラー(粉)は空中に舞い上がり、その風を遮る為にダンボールの箱をつぶしてその壁の陰でフィラーを混ぜている。

一見すると乞食がダンボールに包まり野外で生活しているようにも見えるわが野外工場です。
何故ニュージーランドまで来てこんな生活をしているのだろうと考える時があるのですが、日本の生活を思い返す時、ただ毎日を働いて働いて、働く事が生活ではないか?と思うような生活だったと思います。

今ここニュージーランドに来て生活していると、金銭的には貧しくは成ったのですが、自分の生き方は豊かになったと思うのです。
自分の敷地でヨットなど造るなんて日本では考えられない我々の生活でした。今やっとニュージーランドに来て自分がしたかった生活が出来ていると思っています。

しかし人間と言うものは欲望の動物らしく、一旦恵まれれば何か新しい物が欲しくなるものなんです。
欲望が強すぎ抑えられないと言うのは、ノドが乾いた人が海水を飲むようなものらしく、飲めば飲むほどノドが乾き海水を飲み続けて自滅してしまうものだそうです。

ところで、この欲望をかなえるのは旅行が一番ではないか?と考えます。簡単に違った環境にたつことが出来るのが旅行です。
リタイヤ後に世界を旅して回るにはたいへんな資金が必要なためと、同じ環境のホテルに泊まりバスで窓から眺めるような旅では、家でテレビを見ているのとなんら変らないと思うので、その基地となるヨットを造っているのです。
 
今私はこんな事を考えて生活していますが、その生活の基地となるこの家をインターネットで売りに出しており、時々世界中?から問い合わせが来ているのです。
初めは家が売れてからその金でヨットを造ろうと考えていましたが、直ぐには売れず、気持ち的にも直ぐに売りたくないというものが有り、ここで造ることにしたのですが、世界中にはいろんなタイプの人が住んでいて、このロッジに興味を持つ人が問い合わせて来ています。

最近問い合わせがあるのはアメリカ人、南アフリカ人、デンマークに住むインド人、スイスのヤングカップル、イギリス人などなどですが、
宣伝のインターネットの視聴率?も我々のロッジが一番人気が有り、そのうち売れるだろうと思っていますが、我々自身はカタマランが完成したら売れて欲しい(後1年から2年)と望んでいるのですが、我々同様に生活を変えたいと言う人達が多く上手くタイミングが合うかなあ?などと考えています。

この先はどうなって行くのでしょう????。

何時だったか覚えていませんが、夢を見たのです。私が棺に入れられ焼かれるのです。焼かれる瞬間 「アツイ」と言って「出してくれ~」と叫んでいるところで目が覚めたのです。
何でこんな夢を見たのだろう????
キット、ベットの電気毛布が熱過ぎたのかも知れません。

Sunday, September 09, 2007

 

マスト製作

マスト製作

晴れの日が多くなってきた今日この頃です。ニュージーランドに春がやって来たようです。

しかし未だ作業現場は気温が上がらずヨット造りには向かないため、ガレージで作っていたマストを完成する仕事をしています。
マストは太いところで円周が120センチ、先端の細いところは90センチぐらいあり、長さ15メーターと言ったところです。
このマストを二本作るのです。

船体と同じ材料を使い、釣りの好きな私はフライロッドの六角竿をまねて材料を八角のテーパーの付いた板状に切り繋ぎ合わす。
その間に強度を持たすため、竹の節のように1メーターに付き2箇所節を入れて行き、内側にグラスをレジンで張る。

これで内側は出来上がり。この出来上がった8角の筒を繋ぎ合わせるのです。
ガレージで4本ずつ繋ぎ合わせ、これらを野外に持ち出し15メーターの長さに仕上げることにする。

我々の住んでいる土地は急斜面に囲まれ、景色に重点を置いて家を建てたため、平らな土地がないのです。そこで家のベランダから少し登った、眺めの良い峰のようなところを20メーターぐらい水平にスコップで均し、そこに板を並べ、軽飛行機の滑走路のような場所を作る。

ここにガレージで作ったマストを運び込んで繋ぎ合わせる。
言うのは簡単なのだが15メーターのマストを手作りで真直ぐに作るのが思ったより難しく、なかなか真直ぐに繋ぐ事が出来ない。
「遠くから見たら真直ぐに見えるよ」と私が言うと、「いや、未だ曲がっている」と言い張ってなかなか女房の許可が下りずに又マストを真直ぐにしようと努力する。

天気の良い昼間は春の花が敷地一面に咲き乱れ、この世の天国となる我が敷地で、二人がマストを真直ぐにしようと奮闘するのです。
幾らやっても満足が行かず「ふと」周りを見渡すと満開の花の中で働く自分の姿に気づく。

二人で何と素晴らしいところで働いているんだろうと、こんなことをやっていられる我々は今幸せだと感じる瞬間である。
これがニュージーランド暮らしの一番良い季節かもしれない。

こんな事をしているとおかしな日本人が何か変わったことをやっているといろいろな人達がやって来る。
多くは仕入れの関係の人達で有るが何か儲け仕事はないものかと訪ねてくる。
この間もアメリカスカップのチームニュージーランドの一員であると言うグラントが訪ねて来たのです。

おかしなことをやっている日本人に興味を持ったのか、アメリカスカップで新しいデザイナーを探しているため私の所に来たのか?
とにかく覗きに来たのです。
この人は日本でヨットチームをコーチしていたこともあるそうです。日本人のお人好しさをよく知っているので何か仕事に繋がるものはないか?とやってきたのですが、自分で書いた図面を見せてカタマランを造っていると説明すると感心してくれて、何も教える事が無くなったと言った感じで昔の知り合いの話をして帰って行きました。

ヨット乗りの世界は狭く、お互いに顔見知りが多く、私達もこの国では異邦人ながら20年もセーリングをしており知り合いも多い、
昔話をするとだれだれは「今どこにいる」などと直ぐにわかってしまうのがヨット乗りの間柄です。
こんな道楽をしていると新しい人達との振れ合いもあり少しずつ輪が広がって行くのが楽しみです。

とにかくそれでも気を取り戻してマストを真直ぐにするために又奮闘するが、完璧には真直ぐにはならないので、
遠くから眺めたり、近くでかがみ込み眺めすかす。
とにかくこのぐらいで良いのではないか?と言う妥協点でマストを繋ぐ事にする。その後にもう少し補強のためにグラスのテープを8面に張ってこれをフィラーで固める。

このフィラーをサンドペーパーで磨き出し、少し曲がったマストをスムーズにして少しでも真直ぐに見えるように直してゆく。
一本目のマストをここまでにした所で材料が切れてしまい又材料が入り次第作業を進める事にする。

マストを作っていて気づく事は、一見重そうな電信棒のように横たわるマストだが、作業の関係上転がす時に二人で簡単に転がる。
今、マストの重さは65キロぐらいと思うが、一見したところクレーンでも使わないと腰を痛めるのではないか?と思うような感じのマストである。
ところが、自分が今まで生きてきた経験から感じる物体の重さとでも言えばいいのか?「これは重そう」と感じる物が実際に転がしてみると重たくない事に驚く。
いったい私は何を言いたいのか?というと、自分の中にある感覚では計り切れない重さの感じ方に驚く。

こんな新鮮な驚きを感じながら、このカタマランが完成したら、キット今までの自分の中にあるヨットというか、船と言うか、今までと違った乗り物が出来てくるのではないか?と期待に胸をときめかす。

こんな気持ちになるのも気温が上がり始め、春になり花が咲き乱れる時期になったせいでもあるんじゃ~ないかと思うのです。

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