Friday, December 08, 2006

 

家の庭はサファリパーク

家の庭はサファリパーク

今日は少し指向を変えて書いてみようと思います。

ニュージーランドに来た頃、一度は草刈りなどをして見たいと思っており、知り合いが庭の草刈りなどをしていると 「チョッと芝刈り機を押させてください」 と知り合いの芝を刈ったものでした。

日本では仕事が忙しく住環境が悪く、働いては寝ると言った生活からこの国に移り住んで、初めは 「庭に草が生える」 と言った事が嬉しく、草刈りなどをやって見たい、草などが生える自分の敷地にあこがれたものだったが、実際にこんな土地を買い求め家を建て住み着いてみると、以前あこがれた草が生えることが恐怖となってきた。

草刈機で刈り取るのだが、草と言うのはお構いナシに生えてくる。春など草はすくすくと育ち草刈りをしている後から生えてくるのではないかと思うほど草が伸びてくる。

「俺は、草刈まさおーなんって言って」やっていたが、しばらくするとこんな無駄なことに時間を費やしている事に腹が立つようになってきた。
そこで我が家は、花を敷地一面に咲かすことにしたのだった。強そうな花を見つけては挿し木して敷地一面花を咲かす。
この作戦は成功した。

春になると敷地一面にこの世とは思えないほど花が咲く。 「綺麗だ」 毎年春になると庭で花見が出来るほど花が咲き乱れる。
しかしこれは一年で少しの間である。花の命は短く枯れた後には草が生えだす。

このシーズンが終わると我が家は草原の我が家と変わる。しかしこれも悪い事ばかりではない。

この草原の我が家にはキジという放し飼いの野生の鳥が卵を産み雛を連れてヨチヨチと歩いている。ウサギも生活しており春になると子どもが生まれる。秋には虫が鳴き、果物が採れる。この草原の我が家にはキジという放し飼いの野生の鳥が卵を産み雛を連れてヨチヨチと歩いている。ウサギも生活しており春になると子どもが生まれる。秋には虫が鳴き、果物が採れる。

こんな庭に家のネコが獲物を求め徘徊する。ネコの名前はイチゴと言い、イチゴの好物はウサギの子どもである。

ウサギの隠れ家は決まっており穴を掘って生活していてこの穴は出口が二箇所必ずついている。
ここの出口の前にジーッと座り込みイチゴは獲物が出てくるのを見張っている。この間二回ほど捕まえる瞬間を見ることが出来た。

獲物をジーッと待っていたイチゴは突然動き出す。そっと獲物らしきものに近づきパッと飛び掛る。
突然キ~ッと言った鳴き声がし、ウサギの首を噛み付き銜えて草むらから出てくる。
ウサギの子どもを銜えたイチゴは好物と見えて首を咬んで放さない。これがネズミなどであれば一旦放しネズミが逃げ出すと又つかみなぶり殺してしまうが、ウサギの子どもは首筋を咬んだままでウサギが死ぬまで逃がさない。

ウサギが動かなくなるとおもむろに皮をはぎ肉を食べ出す。よくテレビで見るライオンやチーターの仕草と同じである。

ある天気の良い夕方、けたたましいキジの鳴き声が響く。きっとイチゴが何かをしているのだと想像する。
外を見るとキジの雌が直ぐ近くに居て何かを訴えている。

やっぱりイチゴがキジの雛を捕まえて遊んでいるのだ。キジの雌が雛を返せとイチゴに迫っている。
けたたましく鳴いているキジのオスは遠くで威嚇をしているのか近づいては来ない、雌は恐れを知らないのか?子どもを助けるために必死でネコに子どもを返せと近づき訴えている。さすが母親である 「母は強し」 それでもイチゴはお構いなくキジの雛を捕まえては離しと遊んでいる。決して食べるわけではない。

キジの子も捕まっては死んだ振りをして転がっているが、ネコが離れるとすかさず起き上がり速足でチョコチョコと逃げる。
これが又可愛い。
イチゴは又別の雛を捕まえては連れてくる。相変らずキジの夫婦は子どもを返せと叫んでいる。

この野生の国のドラマを我々はお茶を飲みつつ窓から眺めている。これに気がついたのかイチゴが我々に何かを猫語で話しかけに来る。その隙を狙って捕まったキジの雛がチョコチョコと逃げ出す。

時々こんなドラマが我が家の草を刈らない庭で起こっている。一見草ぼうぼうでは有るが素晴らしい庭なのだ。

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