Sunday, January 28, 2007

 

エルニーニョ

エルニーニョ

今年のニュージーランドの気候は エルニーニョらしくて 西からの強い風が多く吹きまくっています。
しばらくの間風の心配をしなくてよかったのですが、その代わり雨が降り仕事が出来ずにいました。
その後天候がよくなり仕事がはかどったのですが、又今度も西からの強風に吹かれ我が作業小屋を直撃しました。

船体の外形が出来上がりつつあった事もあり風の被害を受けにくくなってはいたのですが、今回の強風はまともに作業小屋を襲い 「ドカン」と大きな音を立て、出来上がりつつあった船体を下から風が持ち上げ船体を半倒しにしてしまいました。
作業小屋も被害を受けこれを又直す事を今回は諦め、出来上がりつつあった船体を小屋から出して正常な船の形に起こすことにしたのです。

そして無事起こすことが出来た後、船体の内側にファイバーグラスを張り強度を増す事にしたのです。
この作業は以前から心配していたのですが、「二人の力でこの大きな船体をひっくり返す事が出来るのか?」
普通この時点での船体の重さは1トンから1トン半ぐらいですが、我々の船は、予想では360キロぐらいと思います。

船としては大変軽く出来満足していましたが、この時点で軽いと言う事はフニャフニャしていると言う事であり、これに内側からファイバーグラスを張る事によりしっかりとした船体になってくるのです。
中にファイバーグラスを張るという事は今以上に重くなると言う事ですので、二人の力でこれをひっくり返すと考えると大変な力が必要と予想して中を張らずにひっくり返す事を考えていた。

今回風により半ば倒された船体をこの際ひっくり返そうと試みたのですが、未だ風が強い中二人で作業小屋をとり壊し、船体を小屋から出せるところまで出来たのです。
ここまでは小屋を建てた時に計画していたので何の問題も無く済んだのですが、
この後又強風が吹き込み小屋を取り払った後の船体を揺り動かし勝手に船体を倒してくれたのです。

倒された船体は、中をファイバーグラスを張る前なので船体は見事にペチャンコになってしまいました。
一見大きなフォールディングカヌーのようになってしまったのです。
これを見た女房は今までの何ヶ月かの労働が無駄になったと思い込み、私に言いたい放題の苦情を言い続け落ち込みました。
私自身もショックでしたが、私が落ち込むわけには行きませんので、女房を励ましながら冷静な目でペチャンコになった船体を眺め観察しました。

船体自体はこの時点では被害は無くフニャとしていて起こすことが出来ない状態です。しかし船体の後ろを持って船体を振って見ると簡単に振れるほど軽い事が解り、軽く船体を作るのが目的ですので寝たきりの船体にもかかわらず少し満足しました。
今度はこの寝たきりの船体をどうして起こすか?すでにクレードルは作ってありこれに船体を起こし上に載せ立たせるのです。

これが予想していたとおり大変な仕事で柔らかい船体はこのままでは起きないのです。
強引に起こすと一点に船体の重さが掛かり亀裂が入ります。すでに何回か試みた結果亀裂が出来ました。
ファイバーグラスのボートは簡単に修理することが出来るのですが形がゆがんでいるとそのまま固まってしまうので、
先ず、船体を棒で支え船体を開きました。すると元の船体の一部のカーブが現れた。これをファイバーグラスで固め少しづつ船体を硬くして起こそうと計画しました。この作業に二日掛かり船体が半分は硬くなったので、二人でジヤッキとテコを使い船体を起こすことに一日中挑戦したのです。

もう少しで起きるところまで出来たのですが最後の少しが起き上がりません。
未だ船体の半分が柔らかく力をかけることが出来ずに起き上がらないのです。とにかく今日は疲れきったということで 「明日にしよう」と又次の日に挑戦し直したのですがやっぱり起きない。
これは作戦を変えて無い知恵を絞り再三挑戦し直す事にしたのです。

ブツブツ言っていた女房は今では意地になって何とかこの寝たっきりの船体を起こそうと頑張っています。
まるで年老いた我々が寝たきりになり家族の誰かが何とか起き上がらして元気に又動かそうとしているみたいです。

今度は滑車を買ってきてこれを使って何とか起こそうと計画しました。
滑車を使う事は以前から考えていましたがこれにも問題があり、埋立地を作業地にしているため地盤が柔らかく滑車を支えることが出来るか?が問題となってきます。

これからこの課題に挑戦しようとして昨日滑車を買って来ました。毎日 「ボケ防止」に、無い知恵を使っている我々夫婦です。
見事船体は起き上がるでしょうか?。昨夜は雨が降り続き今頃半寝たきりの船体に雨がたまりプールと化している事でしょう。
今からこれを見に行くのですが少し恐い気がします。

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