Sunday, March 04, 2007

 

リタイヤ後の日常

リタイヤ後の日常

ニュージーランドは今が夏の盛りと言ったところです。ニュージーランドが夏らしくなるのはクリスマス休みが終わり2月になると毎年夏らしくなってきます。
我々の住んでいるタウランガでは日中25度ぐらいが平均気温、朝夕は一枚何か羽織ると言った涼しさです。

このところ天気が安定しており、カタマラン造りの方も少しははかどっており、今二つ目のハル(船体)を繋いでいるところです。
この夏から秋にかけてカタマランのシェルを完成させたいと考えており、シェルが完成すれば冬の雨の日(ニュージーランドは地中海性気候のため冬に雨が多い)船の中の仕事が出来ると考えております。

しかし、毎日船造りの仕事ばかりやっていると発想と言うものが出てこなくなってしまいます。まるで船大工が仕事をしている様に仕事をしていることに満足して、何故か?罪から逃れて満足しているような気分になり、 「働いているからこれで良いんだ」見たいな気持ちになってきます。
我々は「船を造っているのは仕事ではなく趣味であり、クリエイティブな発想をすることを目的として遊んでいるのである」と言うことを忘れそうになってしまいます。
言葉を変えればボケ防止に頭の体操をしていると言っても良いでしょう。この大事な事を忘れるとただ働いていると言う事に成ってしまいます。「リタイヤして何もすることが無い」という事は大変つらいものです。かと言ってただ時間をツブシテ満足していてはせっかくここまで生きてきて、多くのノレッジを蓄え、多少の富も出来たのだから、これらを使って 「自分は何ができるのか?」 「こんな事に挑戦してみよう」 と考え実行してみるのもリタイヤ後の時間の使い道ではないでしょうか?

まあ~こんな考えで今のカタマラン造りをやっているのですが、仕事が山とあることに追われて初心をなくしやすくなってしまいます。
そこで我々は週一回はテニスに行き、その帰りにショッピングをしてくると言う一週間を過しておるのです。
ところが天気が良くなると海も静かになり魚が釣れていると言う情報も入ってきて、仕事はしたいし釣りにも行きたいとソワソワしてくるのです。

そこで昨日は天気も良く海も静かだったので魚釣りに行って来ました。
釣果は鯛が6~7匹とシマアジやアジそれにカハワイと言う魚が混じって制限匹数を釣って来ました。我が家のネコが喜んでバクバクと食べ腹一杯になってごろんと寝転び満足したと口の周りをナメ回していました。

最近は魚を沢山釣っても健康上余り食べる事が出来なくなってしまったので、ネコが食べてくれると嬉しく思い、なくなったら又釣りに行けると考えるのです。
魚釣りも家の冷蔵庫に魚があると何故かそんなに魚釣りに行く気持ちになれず、冷蔵庫に魚がなくなると釣りに行って食料をとらなくてはと仕事をほったらかして公に釣りに出掛けられるのが嬉しく、ネコに食べろ食べろと魚をやるのです。
ネコに鯛をやっていると思うとなんて贅沢なんだろうと思うのですが、幸運にも趣味の一つが釣りですので、釣りに行くと魚が我が家に溢れるのです。人間達は魚が一杯家に溢れて居ても多くは食べれない歳になり、ドクターストップの私は酒も飲めない(悲しい~ですね~)。

こんな日々を過していると結果的にカタマラ造りの時間が足らなくなってくるのが現実です。そこで明日は一生懸命働くぞ~と思うと夜にはお湿りの雨など降ってくる。
雨の水分がカタマラン造りに多く使うエポキシレジンに良くない。レジンを塗って乾かない時に雨など降られると硬く固まら無くなってしまう。

一旦固まると雨が降ろうと槍が降ろうと構わないのだが、立派な工場を持たない我々は作業が出来なくなってしまう。
毎日天気予報とにらめっこで作業をしてゆかなければいけないのです。

ところで一昨日テニス仲間の一人グレッグが尋ねてきて、「自分の船を直したいからファイバーグラスの扱い方を教えてくれ」と言ってきた。
たいしたもので我々は人に船の直し方を指導するようになった。彼は自分の船をカリブ海に持ってセーリングしており、今はベネズエラに船を置いてニュージーランドに戻ってきている。ハリケーンシーズンが終わると又カリブ海をセーリングする予定だという。その前に船を直すため2週間後にはベネズエラに飛ぶ予定だそうだ。

リタイヤして有り余る時間をこんな風に過すのも良いのではないかと私は思う。
とかくテニス仲間と言うのは軟弱な軟派風な人が多く(失礼、これは私自身の考えです)私が運動の為にテニスをやっていると海の仲間に話すと 「何てフェミニンなんだ」 と言われるほど軟派なタイプの多いゲームである。テニス仲間をセーリングなどに誘うと船酔いするから私は行きたくないと断られてしまう。

テニスなどやっている人は、年老いた女性といちゃいちゃしながら遊んでいる方が良いといった人が多いように見られる。(失礼)
と言う私もその中に入って年老いた青春よろしくテニスなどやっているのですが、運動量があるため運動を欠かす事が出来ない年寄りには必要と認めざるを得ない。しかし時々自己嫌悪に襲われ 「私はニュージーランドまで来て何をやっているんだ」と落ち込んでしまう。

自称 軟弱な海の男より。

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