Thursday, July 19, 2007

 

リタイヤ後のヨットライフ

ニュージーランドは雨ばかりの今日この頃です。おまけにNZ$が高騰しており我々のヨット造りは、ただ今開店休業状態です。
雨が降り続いている時にヨットの事などを思い返してみますと、雨が降り続く中でのヨット生活は、狭いスペースですることも無く、湿度が高い船内でヤキモキしながら見飽きた本などを読み返すことぐらいしかなく、せめてもっと広いスペースがあればな~と思うのです。

それとヨットのクルージングを考えますと、外洋クルージングにおいては、コーストでのセーリングのようにヨットを目一杯ヒールさせてセーリングする事などしないのが普通です。
短時間のセーリングならばヒールさせて走るのは気持ちの良いものですが、長時間~何日もヒールさせた状態でセーリングする事は現実的には居心地が悪く不可能です。
そこで最低でも少し流した状態にして走ります。多くは出来るだけ傾かない状態に走り、少し遠回りしてもかまわないから楽な状態を選ぶのです。

どうせ何日も何日もセーリングを続ける外洋セーリングですので、少しばかりの距離が増えてもなんら変らないのです。
セールも目一杯上げる事は珍しく、よほど風が無い時かクルーが一杯いる時以外はセールを小さめにしてリグを傷めないように走ります。
もし外洋でリグを傷めてしまうと直せないことがあり誰も助けに来ないため、少しぐらい遅くてもリグをかばいながら走るのがクルージングの場合良い方法と思います。

セーリングにおいて一番大事な事は、安全に走ることであり、そのために必要な事は天気を読むことが総てです。
少し慣れてくるとクルージング程度の天気の読み方は慣れるものですが、どうしても高気圧の中に入ってしまいます。
これは天気が良い時や天気の良い方に向かうのでどうしても風のない時が多くなってしまうのです。

そこで結果的にはモーターリングに頼る事になります。
そこで私は思うのですが、風の弱い時に適当に気持ちよく走る船がほしい、天気の悪い時に居心地のよい船が欲しい。
こんなことから今度の船はカタマランと決めたのです。

そこで色々とカタマランを探したのですが、どれも高く今一自分が考えるカタマランが見付かりませんでした。
デザイナーにも相談したのですがやはり同じ理由で気に入りません。
こうなると自分でデザインするしかなく、自分で造るしかないという結果に追い詰められました。

先ずカタマランの良いところは、キールが無いため水中抵抗が少なくモノハルより速く走ることです。しかし我々の目的はクルージングですのでレーサーのように速く走る必要なく平均10ノットを目標にしています。一日に240マイル走る事が出来ます。
モノハルの場合一日100マイルから150マイルぐらいが一般的でしょう。

何故このぐらい走りたいか?と言いますと、低気圧というのは一時間15マイルから20マイルで地球の自転があるために西から東へ向かって移動します。低気圧は南半球の場合時計回りに回っていますから中緯度にある低気圧は弧を描いて南に下りてゆきます。
熱帯低気圧も同じ様な動きをします。
この場合まわりの高気圧の動きや強さ、大きさに左右されて低気圧の速度が決まってきます。高緯度では多くの低気圧が発生し、消えたり、中にはそのまま緯度の低い方に移動して来ます。

その低気圧に捕まらないように走るのが外洋セーリンのコツといえるのではないでしょうか。
荒天は2~3日前には予報で分かるのが一般的です。その荒天が自船にやって来る前にコースを変える事が出来るのはモノハルが二日で200マイル~300マイルとするとカタマランは500マイル以上荒天から離れることが出来ます。

毎日天気予報を見ていますと低気圧がどちらの方に移動しているか読めると思いますので、安全圏に逃げることが出来るのです。
机上論で言うのは簡単ですが、我々が初めてここニュージーランドのタウランガからセーリングしてタヒチに向かった時など、
簡単に荒天に捕まってしまいました。

その頃はセキスタントで天体を仰ぎ、空を見て天気を予想する昔ながらのセーリングでしたので、新米のセーラーでは直ぐに荒天の餌食になったのです。
仕方なくウインドベーンに操船を任し、ブロードリーチの方向に南に二日、今度は北に向けブロードリーチで2日逃げるといったセーリングをしたのです。その時一旦ローリング40まで下りてみたのですが、余りにも居心地が悪いので、その後はそれ以上は下りずにセーリングしました。

最初のランドホールまで結果的に26日かかりました。その間荒天は20日、静かだったのは6日だけでした。
後ろから襲い掛かる外洋の波は大きく、直ぐ後ろで崩れ、何時ヨットをバラバラにするのか?と恐れていましたが、波の少し前を走ると意外と波をかぶらないことが不思議だったのを覚えています。

それでも一度だけ大波をコックピットにかぶりコックピットがプールとなったものです。
こんな事もあり今度のカタマランは天候を読みながら荒天を避け安全に早く目的地に着ける船にしたいと思っています。

次のブログはカタマランのデザインについて書いてみようと思います。

Comments:
はじめまして、ひょんなことからこのブログに出会うことができました。私はOtumoetaiに住むゆきといいます。以前から風の噂でヨットを作っている人がいると聞いていました。マリーナに行くたびに「会えないかな~?」と思っていたのですがまだお会いしたことないですよね。私はパートナーが26’Ravenに乗っています。Slippery bearという船です。いつか近々マリーナでお会いできたらいいな。私もヤフーでブログやってますhttp://blogs.yahoo.co.jp/yukipeeよかったら見てください。
 
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