Friday, August 10, 2007

 

いい事が一杯あった冬の一日

雨量の差は有るが一ヶ月以上雨が降り続いている今年の冬は気分的にも「ウインターブルー」に成りそうである。
ここニュージーランドのタウランガは比較的暖かい地域で年寄り達に人気があるところですが、長年住んでいると、この温暖さに慣れきっておりわずかな寒さでも非常に寒く感じる今日この頃です。

こんな日が続くある日、久し振りに朝から晴れており春のように暖かいので、マリーナに行きヨットの底を洗おうじゃないか?と出掛けました。
カタマラン造りのために長年親しんだヨットを売りに出しており、あまり乗ることも無くなったヨットの底に新しいオーナーのようにはびこった海藻を洗い落とし綺麗にしてやったのです。

ついでにポストボックスも覗き郵便物を取り出す。我々の住んでる地域はルーラルと呼ばれる郊外(田舎?)で、夜中に悪がきが来て郵便ポストを壊す悪戯をするので町の郵便ボックスを借りており、町に行くときに中身を覗くのが我々の行動の一つです。

その郵便物の中に久し振りに病院からの呼び出しが届いており、前回の診察のとき3ヵ月後に連絡すると言われていたのにあれからすでに6ヶ月も経っており忘れ去られたかな~と思っていたところだった。
これは又私の腎臓が悪化したのか?と驚き中を見ると、呼び出しの用紙には早めに予約するようにと太線で注意書きが書かれていた。日にちを確かめると今日の4時30分となっている。

「そりゃ~今日じゃないか」急いで病院に電話を入れる。
医者の都合で今日と言うスケジュールに成ったらしい。とにかくラッキーにも間に合った。予約を取りホッとする。
この国では、公立の病院は基本的に国民の税金で賄われており無料です。
無料と言う事で病院は何時も混んでいて、予約を取らないと又6ヶ月後ということにならないとも限らない。病気の悪化した人はその間に死んでしまうということもある。

6ヶ月もほったらかしにしていたのに突然の呼び出しに驚き、今定期的にやっている血液検査の結果が悪かったのかと驚く。
とにかく病院に行き医者と会うことにする。
心ではこれは私の腎臓が悪化しており直ぐにでも「人工透析をはじめなければ行けない」と言われるのではないか?と私の心臓がドキドキと騒ぐ。せっかくカタマランを造っているのに 「志し半ばにしてナニナニ」となってしまうのではないか?とか、これはフィリッピンに行くのが早くなったのか?腎臓移植の金は何処から出せばいいのか?腎臓移植をするとしてしばらくはカタマラン造りはできないのではないか?
造りかけのカタマランはどうなるのか?ナドナド~頭の中を考えが巡る。

病院の待合所で待っていると看護婦に呼ばれる。小さな部屋に案内され体重と血圧を測られた後、医者の部屋に案内される。
久し振りに会った医者に「様態はどうだ」と聞かれる。私自身はこれと言って特別に悪いところはないと思っているのだが、あえて悪いと言うのは頭ぐらいかな~。

腎臓の専門家に頭が悪いとも言えないので「別にこれと言って悪くはない、かえって調子がいいくらいだ」と答える。
「血圧はどうだ」と話が出る。自分で血圧計を買って測っているので「上は120台から150位で、下は80~90ぐらいだ」と答える。

話しながら調べていた医者が答える。「血液検査の結果がよくなっている」病状が回復しているんだと言う。
腎臓病がよくなるわけがないと思っていた私は、これはキット医者の誤診だったのではないか?と心で思う。
医者が言うには「腎臓病というのは複雑なんだ」6ヶ月前よりは血液検査の結果が大変よくなっている。

「このまま定期的に血液検査をして様子を見よう」と言う。私は心躍る気持ちでこんないいことはないと喜ぶ。
何故血液検査の結果が良くなったのか?と考えてみると、今の医者に言われてからGPより与えられていた薬を飲むのを止めている。
今までやっていたテニスを止めている。このぐらいしか心当たりがない。

前にも書いたが今会っている医者は公立の医者で、薬を与えてもらっているのは民間の医者である事、言い方を替えると国から生活費を貰っている医者と自分で稼いでいる開業医の違いがある。
西洋医学の薬はそれ自体には利くが必ず副作用がある。(東洋医学が良いと言う意味ではない)医者は利益を上げなければ成らない立場なので薬を与え続けられるが、病状が回復すれば薬を飲むのをやめた方がいいのではないか?と私は考えるのです。

とにかく血液検査の結果をコピーしてもらい家に持ち帰る。今の時代は便利なものでウェブサイトで血液検査の結果を自分なりに確かめることが出来る。本当に血液検査の結果が良くなっているのが分かる。

病院で医者に問い合わせた事を思い出す。
今回は医者に会う前に{もし最悪な場合腎臓を移植するのはどういう風にするのだ?}と言うような事を聞き出そうとしていた。私としては実際にドナーがいるのか?、医者が患者を他国に斡旋しているのか?ブラックマーケットはあるものなのか?移植後の体内の抵抗力を?抑える薬はどうなるのだろうなどなど~ と。
「腎臓移植するには?」と聞くと、医者が一言「貴方は移植する必要はない」と言う。

移植でもしなければと思っていた私は喜んでいいものか、フィリッピン行きがお釈迦になったのが残念なのか、移植の現状が聞けなかったのが残念だったのか?複雑な気持ちで喜ぶ。

帰り道、回復祝いのシャンペンを買い求める。止めている酒を飲むと又腎臓が悪化するかな~と思いながら回復祝いをしたのです。

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