Monday, December 24, 2007

 

後悔しない人のための航海

後悔しない人のための航海

今の時期クルージング艇の多くが南太平洋からニュージーランドに向かって下りて来るのです。台風時期を避けるために高緯度地域に戻ってきます。
冬の間は南太平洋は居心地がいいのですが、これからは暑すぎる上に台風が来るため南太平洋から逃げ出した方が無難です。

少し前こんなヨットの一艘が遭難騒ぎを起こしていました。大きなスクーナーということですので心配はしていませんでしたが、その時は予定より5日ぐらい遅れていて連絡も無かったのです。
捜索の飛行機が出て探した結果700マイルぐらい北で見付かり全員無事でした。

最近は航海機器が良くなっており簡単に現在位置や連絡、天気が読めますので比較的安全に航海できますが、たまにノンビリセーリングをしていると嵐に捕まってしまう場合があります。
最近は長期の航海をしている人の間では風の無い時にどうするか?と言う事が問題になっているほど航海機器が発展しています。本来危険から逃れるために航海機器を多用しますが慣れてくると良い天気ばかり選んでしまうため風が無い事になってしまう。

現実にエンジンばかりで走っているヨットもあります。これではセールなどいらないのでは?と思ったりしています。
おまけに航海機器が多く積み込んであり、自動操縦が働き便利この上ですが、今度は電気が足りなくなってきます。
ヨットの故障で一番多いのは電気系統です。潮風のため故障が多くなります。

こんな便利な航海計器であっても電気や故障のため使い物にならないことがあり、こんな時は昔ながらの基本が必要になってきます。
そして嵐に捕まる事もあるのです。
嵐のことを書くと読み物としては面白いのですが最近の航海では非現実的でありめったに嵐に遭うことも無くなりました、が、やはり「嵐に遭ったらどうしょう」と用意だけはしていなければいけないと思っています。

簡単に言いますと「嵐に遭ったら急がずその場で嵐が行き過ぎるのを待つ」事が一番大事だと思います。
言うのは易いのですが荒れる海で其処に居座るのは大変な勇気が必要です。
この場合基本的には風に逆らわないことであると思うのです。

我々が昔タヒチに向かった時毎日が嵐のようなセーリングでした。ヨットの後ろから大きな壁のような波が崩れ落ち、はじめは生きた心地がしませんでしたが、慣れと言うのは恐ろしいと言うか?だんだんこんなものだと思うようになってきます。
我々はこの大波の被害を受けないように風下に斜めに走りました。波と共に船が速すぎず、遅すぎず、目的の方向にはなかなか行けませんでしたが、この時点では崩れ波に潰されないように走れる方向に走るだけでした。

セールはストームにナンバー3ポイント、これで二日南に走ったと思うと今度は北に方向を変え二日と言ったセーリングです。問題はこの方向を変えるタイミングです。
大洋ではヨットなどサーフボードと同じ様なものですので大波を下って次の波を駆け上る途中で方向を変えることにしました。正確に言うと波の一番底に下りた時点でスピードが乗っていますのでそのまま一気に舵を切り方向を変えて駆け上る。そしてこのまま二日走る。

おかげさまで大洋は広くニュージーランドから南米までの広さがあったので大陸にぶつかる心配が無くて助かりましたが、タヒチの南200マイル、ライババエにランドホール出来たのはニュージーランドを出てから26日目でした。この間大波をコックピットにかぶったのは一回だけでした。おかげでそこら中海水だらけになりましたが無事でした。

今度のセーリングに行く時の嵐の対策はシーアンカーとドギューを使おうと思っています。カタマランの場合速すぎるのが問題になってくるため。シーアンカーを落として待つか?ドギューを流して風下にゆっくり走るか?ヒーブツーしかないと考えております。

シーアンカーやドギューを使うときこれらを縛るところが壊れると言うのが一般的ですので、何とか壊れないように工夫を凝らさないといけないと考えており、
コーン式のドギューを作ろうか?と思っています。
これは30センチぐらいの小さなシーアンカーをナイロンロープに200個ぐらい取り付けて流す。一個の大きなシーアンカーであると船を止めるための大きな抵抗が一気にヨットの留め金などに掛かるため、ここが壊れてシーアンカーをなくしてしまう事がある。

そこでコーン式のドギューならば一個ずつがすべて一度に力が掛からず、分散されるためヨットに掛かるショックが弱まりうまく行くのではないか?と考えておるのです。
未だ実際に使った事はありませんが最近のクルージングストーリーには時々この話が載っています。
自分のヨットに合ったシーアンカーや嵐を乗り越える策を考えておくのが一番だと考えます。

私の考えは海の波に逆らわない「柔、鋼を制する」と言うテクニックが使えるのではないかと思っていますが、毎回条件が違う事もあり後でわかることが多々有ります。

Comments: Post a Comment



<< Home

This page is powered by Blogger. Isn't yours?