Friday, January 04, 2008

 

カタマラン VS モノハル

カタマラン VS モノハル

カタマランとモノハルの違いを書いてみたいと思います。
日本ではまだまだカタマランは異端児と言ったところですが、最近はニュージーランドや世界各国で人気が高まってきております。

一般に誤解されている事の一つにカタマランはひっくり返ると起き上がらないから危険だ!という事です。
以前にも書きましたが、確かにカタマランは横転すると起き上がれません。でも岸の近くで乗って遊ぶ小さなカタマランから外洋のレーサーまで色々なカタマランがあり一言で「カタマラン」といっても同じ土俵では語れません。

そこで外洋航海が可能なカタマランとモノハルを比べてみます。
外洋の波は大きくなります。5メーターの崩れ波ぐらいからヨットは操船を間違えると横転します。崩れ波を横に受けた場合横転しやすいのですが、カタマランの様にモノハルの二倍近く船幅がある場合同じ条件でも横転しにくいのです。

そしてモノハルのキールが波に刺さっているためキールが抵抗となり足をすくわれた状態のように横転しやすくなります。
カタマランの場合モノハルのように深いキールが無いため、横滑りをして転ぶのを避けられるチャンスが多くなります。
横転したときに起き上がる復元力をヨットに与えるキールがかえって船速を遅くして抵抗となり横転しやすくなるのです。

もしカタマランとモノハルが同時に横転したとしますと確かにモノハルは復元しますが、この時もし船内に海水が入ったとしますとキールに錘の入っているモノハルは一線を越えると沈没します。
船内で横転のとき飛ばされた人はどこかにぶつかって怪我の一つもする上に船外のコックピットにいた人は海に放り出されます。
モノハルは操船を間違うとカタマランより横転しやすいのです。

カタマランは横転して起き上がれないのですが、沈む事は先ず無いので助けを待てば良いのです。
それに外洋をセーリングできるカタマランは簡単には沈まないようになっています。カタマランに重たいキールが無い事も一つのメリットでしょう。
セーリングの為の情報や航海機器が発展していなかった昔のバイキング時代の発想が今でも生きているのでしょう。

もう一つカタマランとモノハルの違いですが突風の吹くような日のセーリングでは、モノハルがヒールをして風を逃がすのに対してカタマランは足を踏ん張ったように突風を我慢するようにマトモニ風を受けるのでヨットのリグを傷める可能性や小さい船では横転の可能性があります。
カタマランの場合突風が来たら瞬間的にセールから風を逃がすことが必要になります。

もしくはカタマランにフリーダムリグかエアロリグ又はジャンクセールにするとセールに入った突風をリグが勝手に逃がしてくれるため操船が簡単です。
カタマランにモノハルのようなコンベンショナルリグをつける場合この突風にはご注意を。

カタマランの問題点はマリーナが得れない事、これはカタマランのネックかと思います。
価格が高い、カタマランは二艘分の船をくっけたようなものですからどうしても高くなります。
高くて買えないけど、それでもカタマランを持ちたい方は自作をお勧めします。我々はただ今挑戦しています。

ヨットの値段の多くは労賃ですのでご自分で造れば材料代だけですみます。多分ヨットの売値の三分の一ぐらいで出来ます。
カタマラン造りをやって見ようと考えた時何処から始めればいいのか判らない人が多いと思いますが人間やればできるものです。
どうしても考え付かないと言う方はキットセットも売っておりますのでこれを買って造れば簡単です。この場合ヨットの値段の50%ぐらいで出来るでしょう。

セーリングですが、短時間のセーリングならばヨットを思い切りヒールさせてデッキの上を海水が洗い走るのも楽しいのですが、長時間傾いた乗り心地が悪い状態でトイレも食事も出来ない状態ではケシテ女性には受けないでしょう。
カタマランの場合は少々の波や揺れにも居心地がよく、快適にセーリングが出来ます。人によっては物足りないと言う意見もありますが長時間のセーリングを考えますと海に浮かぶ別荘のようなものです。

今ではカタマランでレースをしたり世界を早回りしたり、世界をクルージングする人が多くなっています。多くのチャーターボートはカタマランを使っています。
いまごろカタマランがひっくり返るなどと言う人は時代遅れな頭の固い人たちだと思います。
日頃レースをやっている人にこの様な考えを持った人が多いように思います。
レースの多くは今でもモノハル中心でカタマランはのけ者です。次回のアメリカスカップはカタマランで行われるかもしれません。時代は変っているのです。頭を柔らかくしたいものです。

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