Saturday, February 09, 2008

 

セーリングカタマランのエンジン

セーリングカタマランのエンジン

ヨットのエンジンはディーゼルと判を押したように言われるが本当にそうなのか?と考えてみました。

長年ディーゼルエンジンを使ってきた経験から考えて、ガソリンエンジンと比べて見ますと
車の場合、トラックのような重たくて力が必要な車は、トルクが強く粘り強い燃費の良い経済的なディーゼルエンジンが最適だと思うのだが、
たまに荷物を少し積みドライブする自家用車ではガソリンエンジンが良いと思うのです。

ヨットも同じ考えが当てはまると思います。重量が重たく水中抵抗が大きいキールの付いたヨットでは、海水をかき分けて押しのけるように走るためディーゼルエンジンの力強さが必要と思われますが、カタマランの様に水中抵抗が少なく軽く造られたヨットでは、海水を押しのけるイメージから海面を滑るように走ると言うイメージに変るためガソリンエンジンでも充分ではないのか?と考えます。

では何故判を押したようにディーゼルエンジンがいいと勧めるのだろう?。エンジンメーカーから裏金でも出ているのだろうか?。
ガソリンエンジンの一番の欠点は燃料が発火しやすく危険だと言う事だろう。

ここニュージーランドはご存知の様に海に囲まれた国で、二軒に一軒はボートを持っているといわれる国です。(大きさの違いは有ります)
私の知る限りこの国では20年間ガソリンエンジンの事故は一件だけありました。この原因は給油中にタバコを吸っていたため爆発したと言う事です。
これはガソリンでなくとも一般常識に欠ける事故と言えるのではないでしょうか?
ガソリンが爆発するよりプロパンガスがもれ船内にたまり爆発する事故の方が多くあるのに、プロパンを積んでいるヨットが多いのではないでしょうか?。私もその一人です。

我々の回りを考えて見ますと草刈り用のエンジンから始まって、車、モーターボート、総ての小さなエンジンがガソリンを使用していますが、特に一般常識で取り扱いさえしていれば特別何も恐れる事はありません。
それなのに真しとやかにガソリンエンジンは危険だとささやかれています。

燃費を考えて見ますと4サイクルガソリンエンジンはディーゼルエンジンより40%燃費が悪いと言われています。
と言う事は同じ距離を走るのにより多くの燃料を積まなければならない欠点があります。しかしガソリンエンジンはディーゼルエンジンより三分の一のエンジン重量で済みますのでその分燃料を積むことも出来ますし、ガソリンの比重はディーゼルより軽く、軽い分僅かですが燃費が良くなるといえます。

カタマランの様に軽く水中抵抗の少ないヨットは、セーリング中水中からエンジンを上げておくことが簡単に出来ますので、より走りがよくなり微風のときにもセーリングできますのでより燃費がよくなるでしょう。
燃費が経済的だと考える以前にディーゼルエンジンとガソリンエンジンのコストを考えて見ます。

ディーゼルエンジンを載せるにはエンジンベッドを作る必要があります。これはディーゼルエンジンが重たく振動が大きいためかなりしっかりした丈夫なベッドが必要となります。
このエンジンベッドにエンジンを載せるのですがカタマランの場合セールドライブがいいでしょう。これが一番簡単でパワーロスが少ないでしょう。
このエンジンを冷やすためクーリングシステムが必要となります。海水を船外から取り入れこれをエンジンに送り込みそして排気ガスと共に船外に出します。

そのための排気ガスの配管が必要です。最近の海水は汚れておりゴミが多いので海水を濾すストレーナーをつけます。
そしてディーゼルエンジンに燃料を送るための配管やタンク、燃料のフィルターが必要です。
これら総てを加えてコストを比べてみますとディーゼルエンジンはガソリンエンジンの5倍ぐらいするでしょう。何故こんなにディーゼルは高いのでしょう?幾ら燃費が良くても普通の乗り方では(例えば私の場合年間200リッターのディーゼル)燃料代何て微々たる差です。

私のカタマランで比べてみますとディーゼルエンジンの場合は27馬力ぐらいを二機付けると最適です。これは適度のパワー、燃費、経済的、重量によります。
ガソリンエンジンでは9,9馬力二機あればいいでしょう。このエンジンにピッチの大きなプロペラを付け、ロングシャフトにすれば最適ですし、チィルト装置をつければ簡単にエンジンを海水から上げておくことが出来ますのでエンジンの電蝕問題で悩む事もありません。
セールドライブもアウトボードエンジンも同じですが、ヨットの場合速く走ることよりも瞬間的な制動力を必要とする事が多くあり、プロペラの大きさが必要ですが、水中抵抗が大きくなるため必要の無い時にはエンジンを海水から引き上げられるアウトボードエンジンが有利でしょう。

私のモノハルヨットは8トンありますが、ゴムボートをヨットに横づけして2馬力のアウトボードで静かな時にはゆっくリ走ることが出来ます。この様に走るだけならば2馬力の船外機でも走れるのです。一般にヨットのエンジンは1トン当たり3馬力あれば良いとのデーターがあります。
プレーニングしないヨットはハルスピードと言うものがあり幾ら大きな馬力のあるエンジンを積んでもウエイク(船体で起こす波)を作るだけで速くは走らない。

ディーゼルエンジンの場合は燃費は良いのだが燃料内に水が混入するためエンジントラブルが起こります。エンジン関係での故障の90%は燃料関係でしょう。
ガソリンの場合はコンナ事は起こりません。

メンテナンスもディーゼルエンジンの方が多く必要となります。耐用年数はディーゼルエンジンで40年ガソリンエンジンで20年、コストがディーゼルエンジンで約500万円ガソリンエンジンで100万円ぐらいでしょう。(これはニュージーランドでのエンジン関係総てを含む二機のコスト、備え付けの労賃は含んでいません)。

私はカタマランのエンジンをガソリンエンジンにすることに決めました。
もう一つ大事な事は船外機は電気を少ししか発電しない欠点がありますが、私はソーラーパネルとウインドジェネレーター、発電機を備え付けようと考えています。
これの方がより自然に近い生活が出来ると思います。

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