Thursday, October 01, 2009

 

カタマラン、軽さに挑戦



ヨットのペイント

ニュージーランドは春になり花が咲き乱れています。

この暖かさを利用してカタマランにペイントをしようとしています。しかし春のお湿りが多くなかなかカラッとした天気がなく、ペイントのタイミングを待っているのです。
カタマランをペイントすると言っても面積が多く、大量のペイントが必要です。

ペイントをする目的は船体を太陽光線から守ることと、カタマランをより美しく見せる。これらが大きな目的だと思います。
どんなペイントを使えばよいのかと言いますと、ツーポットタイプのポリウレシンペイント(日本ではポリウレタンと呼ぶ)が一番良いと言われています。しかし大きなカタマランにプライマー、アンダーコート、トップコート、三種類のペイントを塗りますと非常に高くつく。100万円以上掛かってしまうので、何とか安くペイントが出来ないものか?と、ネットで探してみるとよほど儲け商品と見えてなかなかペイントの秘密を見つけることが出来ない。

ポリウレシン自体は中国から買うと大変安いものなのにペイントになってしまうと大変高い。
本来ペイントとはレジンに顔料が混ぜてあるものでこれを溶剤で溶かす。これだけなのになぜこんなに高いのだ~キット儲けすぎだと思う。
それに今は環境問題でやたらにポリウレシンペイントを吹くことが出来ない。

このペイントをスプレーで吹くと溶剤が大気中に広がり環境汚染となるためニュージーランドでは野外でのペイントを禁止している。何とか成らないものか?

ポリウレシンペイントは最近のペイントでレジン自体に光を持っており美しく見え現代の製品に多用されています。現にこのブログを書いているPCもポリウレシンで光っています。
このポリウレシンを塗ると表面が光り硬くなりペイントが長持ちすると言う長所があります。しかし高くつくのが欠点です。

以前は一般にエナメルペイントが使われていました。このペイントとポリウレシンペイントの間に,ワンポットタイプのヨットペイントがありますが、これはヨット仲間の意見によりますと、少しエナメルペイントより品質が良いだけと言われています。
そこで私は車のペイントのテクニックを利用して、エナメルペイントを塗り、その上にポリウレシンペイントのクリヤーを塗ればいいのではないか?と考えていますが、問題はエナメルペイントを焼付けする設備がないこととエナメルとポリウレシンでは溶剤が違い、その溶剤がエナメルペイントをアタックするかもしれない。

とにかくこのようにハウス用のペイントを利用すると10分の1から20分の1ぐらいのコストで出来る。これは大変に助かる。

しかしペイントのもちが悪いと言う欠点があるが、自分でペイントをするのだから又時期が来たら少し磨いて上からペイントすれば見栄えが良くなる。

ペイントの見栄えについて語ると、90%ぐらいは下地を綺麗に仕上げることである。ミクロンの世界ででこぼこをスムーズにしなければならないので、手造りヨットでは不可能に近いことである。
一般には型を作りレジンを流し込むとレジンが固まり表面が美しく仕上がるが、手作りではいくら熟練しても限界がある。「言い訳ッポイけれども」

他にはツルットした表面の材料を使い船を造る。この場合仕上げが比較的美しく仕上がりペイントが楽であるが、船が重たくなるのが欠点で走らない船となってしまう。
私の夢である「微風で風よりも速く走る」こんなカタマランを造るには軽い材料で造るしか道はない。したがって、手造りの船だと言い訳して2メーター~3メーターぐらい離れて見てもらいこの距離から美しく見える程度の仕上げを目標にしています。

ニュージーランドには多くの船が手作りで作られています。しかし予算の問題から手短に買えるマリンプライウッドを使うため出来上がってみると重たく走らない船を多く見かけます。
私の目標の一つは軽い船を造って見る事です。なぜ軽い船がいいのか?と言いますと、重くなると船底が沈み海中抵抗が大きくなる。このためリグを大きくして走らすため、セールが大きくなり、人手が必要になりとすべてが重たくなり悪循環となる。などなどと、船を造っていく間にどんどん重くなり出来上がったころには重たくて走らない船となってしまうのです。
だから軽く強く、経済的に船を造ることがいかに難しいか。これに私は挑戦しているのです。

5ノットの風のとき8ノットのスピードで走り、10ノットの風のとき15ノットで走るような船を目標にしています。「夢がかなうといいですね~」
セーリングに慣れると天気を読むことがうまくなってくるのが一般的です、ですからやたら天気の良い日にセーリングに出かけるため風がなく仕方がないのでエンジンで走る。これが現実のセーリングのようです。こんなときでも走る船がほしい。
今までセーリングを20年して来て風のない日にスーッと走っている軽いレーサーを何とうらやましく思ったことでしょう。こんなヨットに居住性を備えた船カタマランを造っているのです。目標最高スピード20ノット、30ノットでは速すぎる。

このようなカタマランなのでペイントは遠くから見て美しければいいのではないか?と言い訳がましく思うのです。

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